●JA佐原の農薬漏れ/基準値の300倍ものBHC検出

――成田廃棄物処理場「閉鎖」に大きな警告

【10月5日報道】香取市のJA佐原市で埋設処理された使用禁止農薬が漏れ出した問題で、県は4日、周辺の土壌検査をおこなった結果、漏えい個所付近の2カ所で、国の基準を超える有機塩素系農薬のBHCが検出されたと発表した。県安全農業推進課によると、先月6日の調査によりコンクリート枡の北側で、漏えいが認められたことから、12日に漏えい個所を中心に再調査した。この2回の調査で計14箇所の調査地点のうち、6カ所でBHCが検出された。このうち、2カ所でそれぞれ国の基準値を320倍、276倍上回る量が検出された。今後、JA佐原市が県の支援を受け、今年度中に埋設農薬を撤去し、周辺の汚染土壌は焼却などの処理をするという。(読売、東京、千葉日報など千葉版)
               *
■農薬の漏えいが起きたJA佐原市のコンクリート枡は厚さ約10センチ程度の頑丈な作りです。それでも埋設から30年もたつと中の農薬が漏れ出し、周辺を汚染していました。暫定滑走路の北延伸計画で、成田市の一般廃棄物最終処分場である成田クリーンパークの空港保安区域用地への違法な転用が画策されていますが、今回の埋設農薬漏えい事件は警鐘を鳴らしています。

■5月17日に行われた成田市環境部との交渉で、環境計画課長・芹山宏道氏は「処分場にはダイオキシンが埋まっている」と認めました。空港会社と成田市が計画している「覆土(土でおおうこと)」による処分場の廃止・転用では、猛毒のダイオキシンがそのまま埋められ、将来かなりの確率で漏れ出す危険があります。

■頑丈なコンクリートで密閉された農薬でも漏れ出したのです。成田クリーンパークはわずか1・5ミリのゴムシートで遮断されているに過ぎません。空港会社と市はダイオキシンを含む埋め立て物のすべてを撤去すべきです。そうしなければ、十余三、小泉地区の環境は守れません。


成田クリーンパーク

【写真】現在も稼動している成田クリーンパーク。一般家庭ゴミや空港から出たゴミを焼却した灰が主に埋められている(10月14日撮影)

  

カテゴリーにもどる

           
  • 新聞報道より