●一坪共有地初公判で鈴木さんが堂々と意見陳述

鈴木幸司さん鈴木いとさん
公判終了後の報告会で決意を述べる鈴木幸司さんといとさん

 昨年12月20日に新たに提訴された鈴木幸司、いとさん夫妻が所有する一坪共有地の初公判が3月8日多数の傍聴人が駆けつけた中、千葉地裁に於いて行われました。公判開始にあたって鈴木さんが、「提訴は全く不当・違法であり直ちに却下すべきである」と怒りの意見陳述を裁判所にたたきつけました。

 今回の訴訟の対象地となっているのは、四千メートル滑走路北端近く(成田市駒井野)の空港敷地外にある一坪共有地です。この土地は、「三里塚地区周辺に土地をもつ会(当時の代表・小川三男衆議院議員)(現在の代表は北原鉱治氏)」という組合が所有している一坪共有地で、1966年11月に小川国彦(当時の社会党で、後の衆議院議員)や芝山町中郷や山田部落の住民33名が共有者となっていました。もしやめる場合には、闘争継続者に引き継ぐ契約でした。しかし小川国彦はその後闘争を裏切り、31名は空港公団の卑劣な切り崩し工作によって、違法な「分割による買収」が強行されたのです。
 残る鈴木さん夫妻に対しては、41年経過した昨年6月と12月の2回にわたって、共有者のひとりである県の企業庁から違法な買収攻撃が恫喝的にかけられました。鈴木さんは「組合の財産なのだから個人で売買することは不可能であり違反行為になる」として断固拒否しました。しかし企業庁は、買収攻撃に屈しなかった鈴木さん夫妻に対して不当にも提訴強行に踏み切ったのです。共有地の持分が33分の30だからといって、企業庁には鈴木さん夫妻を提訴する資格など全くありません。持分が多くても少なくても組合としてしか処分はできないのです。

空港会社(NAA)の手先となった企業庁を弾劾

 鈴木幸司さん、いとさんの連名で書いた意見陳述書を、鈴木幸司さんが代表して述べました。約20分間にわたって、怒りと決意に満ちた意見陳述を堂々と展開しました。とりわけ提訴当事者の企業庁に対しては、「買収」行為の違法性と組合所有を否定して金銭ずくで強奪しようとしている暴挙を強く弾劾しました。
 そして、一連の一坪強奪攻撃は、農地法を使った市東さんの耕作地強奪攻撃に象徴される農民切り捨て・農業つぶし攻撃と一体のものであり、全国農民の先頭に立って闘い抜くことを力強く表明し、今回の不当な提訴を直ちに却下するよう怒りをこめて表明した。
 鈴木さんの陳述が終わると法廷は大きな拍手に包まれた。弁護団からは企業庁に対して訴状に対する求釈明が数点にわたって行われ、それに対する釈明や被告側の主張補充などを次回公判までに書面で提出することが確認された。
 次回公判は、5月17日午前11時、千葉地裁でおこなわれます。
 裁判終了後裁判所の控え室において報告会が行われました。弁護団の葉山岳夫、浅野史生氏からの裁判の報告に続いて、鈴木さん夫妻が挨拶。鈴木幸司さんは、「単なる妨害のためではなく空港建設そのものを阻止する目的で土地を持つ会は結成された。同盟つぶしのたには違法であれ何をやってもいいということは許せない。どのような攻撃がこようとも徹底的に闘いぬく」と熱い決意を表明し、いとさんも「最後まで頑張りますのでよろしくお願いします」と心強い決意を表明されました。
 最後に、傍聴にかけつけた萩原進事務局次長から、まとめの提起。鈴木さんの意見陳述で反対同盟の決意は全面的に述べられていること、空港建設阻止のために40年守り続けてきた一坪共有地は今後も断固守り続けること、そして、反対同盟は3・25全国集会に向けて全国各地に出かけ、訴え、大結集を勝ち取る決意であり、皆も3・25結集の闘いに全力を尽くしてほしいと、傍聴に来た人たちに檄を発しました。

※なお、3月7日に行われる予定であった6ヶ所の一坪共有地控訴審は、実質上延期になりました。理由は、被告の一人に裁判所からの連絡がつかなかったためということです。本件の場合は必要的共同訴訟であるために、一人でも連絡がつかないと法廷が開けないことになっているからだそうです。
 従って、実質上は法廷での打ち合わせとなりました。弁護士からは清水教授をはじめとする数人の証人調べの必要性を重ねて強く主張しましたが、採用については、正式の法廷ではないので次回の法廷で決定することとなりました。
 一坪共有地控訴審の次回公判は、5月7日 14時です。多数の傍聴をお願いします。

  

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  • 鈴木さんの一坪共有地裁判