●裁判長は建物の検証を行わないつもりか

――司法反動をうちやぶる大きな支援運動を

記者会見
裁判終了後の記者会見

 5月10日千葉地裁405号法廷において、天神峰現闘本部裁判の第16回口頭弁論が開かれました。
 今回の弁論で弁護団は、「現闘本部について地上権や賃借権の認識はなかった」「地代の受領の事実はなかった」とするNAA(成田空港会社)の主張のデタラメさを打ち砕く弁論を展開。NAA側を圧倒しました。対するNAA側は裁判長から「もっと主張してはどうか」とうながされる始末です。
 しかしながら今回の公判の最後で仲戸川隆人裁判長は「次回(7月19日)、人証(にんしょう)について決定したい」(証人調べの時間や期日について決定する)「人証は建物以外についての人証を先に行いたい」「人証を先にして、その後建物の検証について考えたい」と言い放ちました。
 とんでもない話です。

 なぜ検証を行わない!?

 なぜ仲戸川裁判長は建物の検証を行わないのでしょうか。
 今回の弁論の中で弁護団は「検証申立補充書」を提出し、葉山岳夫弁護士が「NAAはいまだに旧来の現闘本部が『解体吸収された』と主張している。主張が明白に相異なっているのだから検証すべき」「1991年1月に現闘本部が成田治安法で封鎖された時立ち会った公団職員によって、NAAは内部の事情を知っているはず。つまり反対同盟に地上権が存在する状況を承知していながら土地を買収したわけで(これを「背信的悪意者」と言います)、この点を明らかにするためにも検証は必要」と重ねて実地検証の実施を求めました。
 仲戸川裁判長はこれに耳を傾けることなく、「証人調べを先にやる」と言ってきたのです。傍聴席からも弾劾の声があがりました。一瀬敬一郎弁護士が「検証を優先させよ。裁判長は再考すべき」と強く迫りました。
 「建物以外の人証を先に」と言う言葉に裁判長の意図が透けて見えます。
 旧現闘本部があるかないかは不問に付したうえで証人調べを進め、NAAの主張に沿って白を黒と言いくるめ、「そもそも地上権も借地権も存在しない」「だから建物があるとかないとかは問題ではない」として核心部分の検証を行わずに反動的な結論を導き出そうとしているのです。

 裁判支援の拡大を

 裁判終了後の記者会見で遠藤憲一弁護士は「背景に裁判迅速法がある。民事は2年で結審するように言われている。現闘本部裁判はすでに3年。裁判長は年内結審、年度内判決を狙っているのだろう。建物の検証をやったら、これは無理。だからやろうとしない」と看破しました。
 背景にはまぎれもなく憲法改悪の動きがあります。司法反動化、三里塚つぶしという国家意志を受けて裁判長は反動的な結論を導こうとしています。弁論の正しさだけではなく、この反動に負けない力強い裁判支援運動が必要です。
反対同盟は「天神峰現闘本部裁判を支援する会」をさらに多くの皆さんが参加されることを強く呼びかけるものです。「仲戸川裁判長は建物の検証を行え」の声をさらに大きな力にしていきましょう。
 次回公判は7月19日(木)10時30分からです。

(裁判当日の朝、裁判所周辺で配布したビラ)
 
※なお、記者会見終了後に「天神峰現闘本部裁判を支援する会」の例会が開かれました。
こちらについては、おって報告致します。

  

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