〔第41話〕森のいたみは我がいたみ

 稲刈りが終わるこの時期になると、萩原さん夫婦と一緒にキノコ(初茸)取りをした事が話題になる事が在ります。そこは家の直ぐ近くの林で、1時間程の散策で4〜5本、見つかるかどうかの場所ですが、それでも三人で藪の中を夢中になって探したものです。
 東峰の森が豊かだった二十年以上前には、初茸がコンテナに二つも取れたそうですが。噂を聞きつけた人がたくさん森に入るようになったために、公団が警備に支障を来たすとして、松の木を全て切り倒してしまい、全く取れなくなってしまいました。今では毒キノコさえも見つかりません。人々と共にに在った東峰の森は、その頃から痛めつけられています。
 話は飛びますが、宮崎駿の「平成たぬき合戦ポンポコ」は成田闘争をヒントに創られた、と言われていますが、あまりにも酷い、住民を無視した国策に反撃のノロシを上げます。最近、狸はハクビシンに追われ見掛けませんが、森の奪還に向け、その強力な牙を研いています。

(狸に牙? その気になれば牙だって…)

  

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