■空港周辺９市町村は、国交省・成田空港会社の意も受けて、１１月２６日、「成田国際空港都市づくり推進会議」なるものを発足させました。これは成田市を中心に９市町村が空港利権に群がろうという組織ですがそれだけではありません。当日発表された設立趣旨において「空港機能の強化」を明記しています。
■北延伸による２５００メートル化を前提にして「空港機能の強化」を要求することは、暫定滑走路の南延伸による３５００メートル化しか意味しません。つまり、自治体の側から３５００メートル化を要求し、空港反対農民に圧力をかけようとする組織だということです。
■３５００メートル化とは言うまでもなく、天神峰と東峰の農民を暴力的に叩きだす、という犯罪行為です。成田市長・小泉一成らは自らを含めた利権ボスの私利私欲のために、空港反対農民を圧殺しようと動き出したのです。
■この背景には、安倍前政権が打ち出したアジア・ゲートウェイ戦略があります。これは、日本の支配階級が生き延びるために、EPA（経済連携協定）の締結を通じてアジアに覇を唱えるというもので、新たな大東亜共栄圏構想とも言うべきものですが、この戦略は福田政権に受け継がれています。
■国土交通省は11月26日、アジア・ゲートウェイ戦略の中心をなすオープンスカイ政策（航空全面自由化）の実現に向けた行程表（時間表）をまとめ、経済財政諮問会議に提出しました。
具体的には
�。横娃隠闇�までに、日中間で自由化の枠組み合意をめざす。
��羽田空港の深夜早朝時間帯を使った、欧米便を含む国際チャーター便の就航を推進する。
��アジア主要国との間で、乗り入れ地点や便数の制限撤廃を進める。ただし発着枠が満杯の成田・羽田空港は除外する。
などとなっています。
問題は第３項目で、成田と羽田空港が除外されていることです。アジア主要国との間で航空自由化しようというのに、成田と羽田を組み込めていません。特に成田は最大の国際空港であり、成田を自由化できないということは、アジア・ゲートウェイ戦略が絵に描いたモチになるということです。
■反対同盟の闘いが成田空港完成を阻止し続けていることが、日本の支配階級の延命路線であるアジア・ゲートウェイ戦略に大打撃を与えています。この三里塚闘争を破壊するために、国土交通省と成田空港会社そして地元利権自治体は、「成田国際空港都市づくり推進会議」なるものを発足させたのです。労働者や農民を犠牲にして大資本が生き延びようというアジア・ゲートウェイ戦略を許してはなりません。暫定滑走路の北延伸・新誘導路工事そしてアジア・ゲートウェイ＝３５００メートル化を粉砕する闘いに立ち上がりましょう。
〒286-0111 （連絡先） 事務局長・北原鉱治 成田市三里塚115