●なぜ求釈明にこたえられないのか

――畑の位置問題で空港会社を徹底追及
――市東さん「完全勝利に向けて頑張る」決意


毎回傍聴者の数は増え続け、これまでで最も多くの人が駆けつけた


決意を表明する市東さん

■3月3日午前10時30分から市東さんの耕作権裁判第6回口頭弁論が開かれました。これまでで最も多い傍聴希望者がが裁判所に駆けつけ、市東さんや弁護団と一体となって、傍聴闘争をやり抜きました。

■裁判は現在、空港会社が不当に明け渡しを要求している畑の位置に関する攻防が闘われています。「土地を明け渡せ」と言っておきながら、空港会社が根拠とする図面はあまりにも畑の形状がおかしく、ずさんなものです。市東さんが耕作権を持つ畑の位置特定に関してもずさんなものです。
■今回の弁論ではまず、市東さんに何の相談もなく空港公団(当時)と旧地主が売買契約を結んだことを追及しました。売買に当たっては「小作耕作権者と協議の上」ということが、公団側の基準にも明記されているのです。さらにはこちらが詳細に測量した図面を提示して、市東さんの耕作権がどこまで及ぶのか、権利関係についての会社側を認識を明らかにして資料を公開するよう追及しました。菅原崇裁判長もこれに向き合わざるを得なくなり、空港会社側に対して釈明するよう命じました。
■場所を弁護士会館講堂に移した記者会見・報告会は、「なぜ空港会社は求釈明に答えられないのか」という市東さんの怒りの言葉に始まりました。「これからさらに回を重ねる中で、完全勝利をめざして頑張りたい」との決意に惜しみない拍手が起こりました。
■弁護団の詳細な解説を受けた後の報告会では、まず北原事務局長が、「これは市東さんだけの問題ではない。日本全国の問題。食糧自給率の低下は戦争への道だ。これでいいのか、とみんなが奮い立たなければダメだ。代執行が来ようと市東さんを守り通し、全農民のために共有の闘いとして三里塚は進む」とあいさつしました。
■続いて「市東さんの農地取り上げに反対する会」の三角忠さんがあいさつ。「この問題は農地法で農地を取り上げるというとんでもない話だが、これまでの裁判経過を一度整理して、私たちが何を主張しているのか勉強会をやりたい。私たちもわかったようでわかっていない。全体の構造を明らかにして、さらに闘いを拡大していきたい」と、この日の午後開かれた勉強会への参加を呼びかけました。
■車の両輪として連帯して戦う動労千葉からは後藤俊哉さんが発言。「違法に違法を重ねているのは国の方だ。市東さんの農地を農地法で取り上げるなんて、ふざけるな!ということ。国鉄分割・民営化の時も赤字の責任を労働者に押しつけてきた。とことん闘えば必ず勝てる」と檄を飛ばしました。
■さらに遠く関西から駆けつけた関西実行委員会の松原康彦さんが「市東さんのあいさつを聞いても、押してるな、と感じる。原告である空港会社が何も答えられないだけでなく、裁判長の態度が変わってきている。市東さんの農地をめぐる問題は農業問題でもある。私たちも先日学習会を持った。これを主発点に各地で闘いを広げ、3・30の成功をみんなの力で勝ち取りたい」と述べられました。
■反対同盟からの決意を鈴木幸司本部役員が表明。「我々は裁判官を通して政府と闘っている。裁判官は政府の言うことを言っているだけだ。我々一人一人が市東さんになりかわる決意で闘おう」と訴えました。
■最後に萩原進事務局次長からまとめの提起。「いままでで一番多い傍聴の数。この力を3・30に発揮してほしい。空港公団の買収のやり方の問題で東峰神社のことを思い出した。空港公団は、東峰神社の土地を買収したから神社のまわりの立木も自分のものとして勝手に伐採したが、結局東峰部落共有のものだと認めた。市東さんの農地も手続きが出来ず農地解放の払い下げにはならなかったが、3代90年耕作してきた歴史がある。売買というならまず市東さんに話があるのが当然。農地を手放そうという人も、地域の人に持ってもらえるよう話を持って行くのがならわしだ。そうやって農地が継続され、村落が形成されて、農村としてやっていける。市東さんに無断で買収するなんて、個人だったら村八分になるやり方。その上農地法で取るなんて、2重3重に許せない」と怒りを表明。さらに「3・30でこの怒りを敵に示そう。市東さんの畑を埋め尽くそう」とアピールしました。
■身動きできないほどに会場を埋め尽くした参加者全体がこの提起を確認して、ともに闘う決意を打ち固めました。なお、次回の耕作権裁判の第7回口頭弁論は5月19日(月)午前10時30分から開かれることになりました。


政府・空港会社への怒りで熱気あふれる記者会見・報告会

  

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  • 市東さんの耕作権裁判