控訴棄却に対する弾劾声明発す

 6月1日に東京高裁・富越和厚裁判長によってなされた暫定滑走路認可取消訴訟の控訴棄却判決に対して、反対同盟は心からの怒りを込めてこれを弾劾する声明を発しました。

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暫定滑走路認可取消請求訴訟
        控訴棄却の反動判決を弾劾する

 暫定滑走路建設の認可取消(工事実施計画の変更認可取消)請求訴訟の控訴棄却判決を満身の怒りを込めて弾劾する。判決は、粗雑で違法な一審判決を反動的に手直しして認可処分を合法とする最悪の反動判決である。3・23貨物機激突・炎上事故という重大事態を受けての弁論再開要求も「本件判断には関係ない」などと踏みにじって強行しており、絶対に認めることはできない。
 暫定滑走路は当初計画を320m短縮して北に800mずらして建設されたのであり、基本計画とは全く異なる滑走路だ。ところが判決は、「基本計画は概要を定めたものにすぎない。暫定滑走路は本来の2500mの滑走路が完成すれば役割は終わる。だから基本計画に変更はない」などと書き連ねている。冗談ではない。もしこんな屁理屈が通用するのならば、空港は基本計画を変更せずにいくらでも拡張できることになる。滑走路を延ばしてジャンボを飛ばし騒音をふりまくこと問題なし、着陸帯に深さ8mの窪地があって着陸帯を半分に削っても問題なし。こんな無責任な判決など認められない。

 暫定開業後、空港は民家40メートル上空を早朝6時から深夜11時まで飛行させ殺人的大騒音をふりまいている。この国家犯罪に対しては、「B滑走路よりも滑走路が短い。中型機の運行が中心。低騒音化が進む。」などととんでもないことを書いている。110デシベルを超える大騒音の下に富越裁判長は住んでみろ!! その環境破壊、健康被害は、市東孝雄さんや松井利仁京大准教授の証言によって完全に明らかだ。
 ウインドシアによるオーバーラン事故についても構造的欠陥によるものではないなどとパイロットに責任転嫁した。成田空港は世界でも類のない欠陥空港だということを隠蔽した。国際民間航空条約(シカゴ条約)で定めた航空安全の国際標準については「従うことを強制するものではなく、合致しない点があるとしても違法ではない」とNAAを露骨に擁護している。大参事を招いたら一体どう責任をとるというのか。違法の積み重ねによる変更認可を即刻取り消し、暫定滑走路をただちに閉鎖せよ。
反対同盟は、市東さんの農地を守り、天神峰現闘本部破壊を阻止する。暫定滑走路の前倒し10月供用開始を粉砕し、廃港の日まで徹底的に闘いぬくことを宣言する。                    

2009年6月1日

  

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