仲戸川裁判長への講義・申し入れ行動やりぬく(7月21日)

―「申入書」の全文を掲載

■7月21日の市東さん行政訴訟、農地法裁判の弁論開始前、反対同盟と弁護団は現闘本部裁判を担当する仲戸川隆人裁判長が所属する民事第5部書記官室におもむき、申入書を手渡しました。6月25日の弁論における訴訟指揮を弾劾し、石橋恵美子証人の再喚問、現闘本部建物の実地検証を要求するとともに、いわゆる仮執行宣言つき判決への懸念を表明しました。仮執行宣言つき判決とは、1審判決だけで(2審、3審を経ずに)現闘本部建物の撤去を執行してしまう、悪らつな判決のことです。
■以下、全文を掲載します。

申 入 書

2009年7月21日

千葉地方裁判所民事第5部 御中

三里塚芝山連合空港反対同盟
代表者 事務局長 北原鉱治


 仲戸川裁判長は、6月25日の法廷で、突如、実質審理の打ち切りを決定した。反対同盟は訴訟当事者としてこの不当決定に強く抗議するとともに、以下2点の実施を申し入れる。

1. 石橋恵美子、法理哲二証人の再喚問と直接対面による証人尋問
2. 木造建物の存在と建物構造を確認する実地検証

(1)直接対面による石橋・法理の証人尋問の必要性
 直接対面による石橋恵美子証人の反対尋問は絶対に必要である。それは同証人が、地代支払いに応じて金銭を受領してきた当事者であり、反対同盟による底地の譲渡の交渉に応じた当事者であるからばかりではない。石橋証人が提出した「陳述書」(平成21年2月27日付)には、同証人の書面とは思えない虚偽の事実が記述されているからである。
「予め地代の領収証とカンパの領収証と書いたものを持ってきた」と百パーセント事実に反することが書かれている。「金銭を受け取ることは一度もなかった」などと地代授受の事実をことさらに否定している。「反対同盟から様々な嫌がらせを受けた」とか「義父らが念書に記載されているようなことを思っていたとは到底思えない」など、虚偽や土地を提供した石橋政次氏の真意をゆがめる記述がある。真実を誠実に述べようとするならば、絶対に書くことのできない虚偽内容が、原告・成田空港会社の意のもとに随所に散りばめられているのである。
 犯罪被害者でもない証人に対するビデオリンク方式の申し立ては、陳述書の虚偽を押し通すための「証人隠し」である。だからこそ、代理人のみならず反対同盟当事者自身による直接対面による尋問を心から要望し再喚問を求めるのである。
 法理哲二証人についても、そうした虚偽の事実を立証するにあたり、直接対面による尋問が必要であることは言を待たない。
 空港会社代理人は、尋問機会を与えたのに尋問権を放棄したというが、もとより放棄などしておらず、まったく逆に、真実を明らかにするための直接対面による証人尋問を求めているのである。

(2)実地検証の必要性
木造建物の存在確認と建物構造に関しても、なんら事実が調べられていない。登記された木造建物が存在するか否かは、この裁判の判決を左右する最重要の争点である。「登記建物の保存のために鉄骨造建物を増築した」という紛れもない事実を主張する反対同盟に対して、原告・成田空港会社は「解体され滅失した」と強弁している。
建物構造を明らかにするために申請した2人の証人調べはことごとく却下されている。原告・成田空港会社の「三方の周壁」が壁でない事実や木造建物の1階を経て鉄骨造建物に上がる構造などは検証を通して確認するしかない。
重要争点における事実主張が根本的に対立しているのであれば、これを徹底的に明らかにするのが裁判所の務めである。一目瞭然の実地検証を、裁判所はなぜしないのか? 反対同盟が事実を明らかにする手段は、建物の検証以外にないのである。

(3)被告側三人の証言で必要性はますます明らか
 北原、萩原、元永証人の証言は、上記争点に関する事実関係を明らかにして、石橋・法理両証人の再喚問と実地検証の必要性をますます高めさせた。
なによりも、反対同盟と石橋政次氏との間には良好な関係が維持されていた。特に萩原証人と石橋家、石橋政次氏、武司夫妻との親密な関係が明らかにされている。それは石橋家が酒々井町伊篠に移転した後も続いた。
元永証人の証言は、良好な関係の上に地代の授受が問題なく行われてきた事実を、応対した石橋家の対応状況を含めて子細に証言した。
 さらに北原証人の証言では、無償の地上権設定に至る政次氏とのやりとり、反対同盟の会議における決定経過が詳細に述べられている。
 それらの内容は地上権立証の核心部である。しかし、石橋証人への反対尋問が許されない現状では、石橋陳述書の真偽は検証されず、双方の一方的な主張の言いっぱなしに終わってしまうのである。真実を封印したまま、審理を終わることはできない。

(4)訴訟指揮の不当と証拠隠滅の懸念
 仲戸川裁判長は、ここに至る全過程においてきわめて不当な訴訟指揮を行い、暴走と迷走を繰り返してきた。
 その発端は肝心要の実地検証をせず証人調べを強行するという訴訟指揮にあった。これを不当とした裁判官忌避申立(2007年7月19日)の後の、再開弁論(2008年6月12日)では原告・空港会社においても検証を申し立てたが、裁判長は双方申請にも応じないとの姿勢を示した。そして次の弁論(同年9月25日)には、異常な警備のなかで同盟員一名を不当逮捕するという事件が発生した。過剰警備についての説明を求める法廷で、裁判長は強権的訴訟指揮を乱発し、抗議の声が渦巻くなか、仝‐攀儔次↓■殻召両攷揺垪陵僉↓尋問時間と期日の指定を強行した(書記官含め誰一人として告知を確認していない)。
 これを不当とする2度目の裁判官忌避につき最高裁の処分が確定する前に、裁判長は弁論期日を一方的に指定して、原告の申し立てに基づきビデオリンクを採用した。
 3回目の忌避・即時抗告申し立てと、ビデオリンク方式による裁判の不当を訴える最中、裁判長は被告不在のまま開廷を強行し(本年3月12日)、すでに決定していた被告側証人3名の証人調べを一方的に取り消して4月23日を最終弁論として通告した。
 この常軌を逸した指揮に対して強く抗議するや、裁判長は3名の証人を認めたものの尋問時間を不当に制限した。さらに抗議したところ、事実上その非を認めて全面的に撤回した。
 しかし、最重要証人である石橋恵美子証人の尋問機会は封じられ、当初、「検証は証人調べをみて決める」としてきた実地検証は、証人しらべに入る前に却下されたまま、立証活動の権利は回復されていない。

 こうした訴訟指揮のあげくに、実質審理を打ち切り次回最終弁論をもって結審とすることに、反対同盟はじつに重大な懸念を抱かざるをえない。
 それはこの裁判の始めから建物収去の結論ありきの国策裁判として進行する事態の先には、判決に仮執行宣言を付して、現に存在する物的証拠もろとも破壊・隠滅するのではないかという懸念である。
 三里塚現地において、原告・成田空港会社は暫定滑走路北延伸の違法・不当な工事を強行し、地元住民の「反対」の声を押し切って供用しようとしている。その矢先、敷地を飛び出して第3の誘導路計画が浮上した。それは今供用されている誘導路の欠陥と破綻を取り繕うためのものだが、同時に別件で農地取り上げと闘う市東孝雄さんの家屋・畑を空港内に囲い込み耐え難い騒音で追い出そうとする非道な国家犯罪そのものである。
 こうした暴挙と一体であるかのような本件裁判の強権的訴訟指揮は、断じて認められない。司法制度の改悪を率先垂範する不当な訴訟指揮は許されない。
 仲戸川裁判長は偏った審理を改め、反対同盟の権利を回復させて、重要証人の再喚問と直接対面による証人尋問、建物の実地検証を行うことを厳格に求めるものである。

以上、申し入れる。

  

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