●一坪裁判上告棄却を弾劾する
――反対同盟、弾劾声明を発す
最高裁による一坪共有地強奪判決(1月17日)に対して、反対同盟は弾劾声明を発表しました。(弾劾声明はこちら)一坪共有運動への重大な敵対であり、反対同盟つぶしとして出された反動判決は、絶対に許すことができません。2月7日には千葉県から提訴された鈴木幸司・いとさん夫妻に対する一坪共有地強奪裁判の弁論が予定されています。裁判所の横暴を許さないためにも、多くの傍聴をお願い致します。
■最高裁第1小法廷(泉徳治裁判長)は、1月17日、反対同盟の一坪共有地強奪判決に対する上告について、これを棄却する判決を下ろしました。私たちは満身の怒りを込めて、この反動判決を弾劾します。
不当判決を闘いの糧(かて)に
■司法記者会(クラブ)に移動して記者会見を行いました。北原鉱治事務局長は「不当判決にまたか、という思いだ。裁判が裁判になっていない。こういうことを許していたら日本の将来は暗澹たるものだ。われわれは最後まで闘います」と決意を表明しました。鈴木幸司さんも「不当判決を闘いの糧(かて)にする。三里塚は負けません」とあいさつ。同席した一坪共有者の女性は「私は裁判は初めてですが、驚きました。裁判というのは力の弱いものを助けてくれるものだとばかり思っていましたが、逆なんですね。怒ってます」と感想を述べました。
■最後に萩原事務局次長が「法律論で言ったら反対同盟が勝っている。組合も実際に存在している。裁判長は、われわれ農民が共同して組合を作り生活し闘っていくことへの認識がまったくない。住民のささやかな抵抗手段である一坪共有運動を禁止する判決ですよ。だから許せない。『拙速裁判』というから『拙速』の意味を辞書で引いて見た。『まずくてもでき上がりは早い』と書いてあった。正に拙速裁判じゃないですか。裁判制度自体をわれわれの側からひっくりかえさなきゃいけない、という思いです。断固闘います」としめくくりました。
■萩原さんが指摘した問題が重要です。一審につづいて二審でも「全面的価格賠償方式」が認められたことは、一坪共有運動はやるな、という意味を持ちます。その点で、住民運動に対する影響が大きいのです。
一坪共有地裁判控訴審(東京高裁) 一坪共有運動は、多くの人々が土地の権利を持ち合って収用を阻む闘争手段です。空港内には今も多くの共有地があり、空港計画をさえぎっています。 土地収用法が失効した成田空港では共有地も強制収用できません。ところが政府・空港会社は、収用法で41年間取れなかった一坪共有地を、民法を使って勝手に取り上げる訴訟を02年から起こしました。人の財産を勝手に「算定」してお金を積んで取り上げてしまう。憲法改悪の先にはこういう社会が待っているのではないでしょうか。