暫定認可取消訴訟

2009年06月04日

控訴棄却に対する弾劾声明発す

 6月1日に東京高裁・富越和厚裁判長によってなされた暫定滑走路認可取消訴訟の控訴棄却判決に対して、反対同盟は心からの怒りを込めてこれを弾劾する声明を発しました。

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暫定滑走路認可取消請求訴訟
        控訴棄却の反動判決を弾劾する

 暫定滑走路建設の認可取消(工事実施計画の変更認可取消)請求訴訟の控訴棄却判決を満身の怒りを込めて弾劾する。判決は、粗雑で違法な一審判決を反動的に手直しして認可処分を合法とする最悪の反動判決である。3・23貨物機激突・炎上事故という重大事態を受けての弁論再開要求も「本件判断には関係ない」などと踏みにじって強行しており、絶対に認めることはできない。
 暫定滑走路は当初計画を320m短縮して北に800mずらして建設されたのであり、基本計画とは全く異なる滑走路だ。ところが判決は、「基本計画は概要を定めたものにすぎない。暫定滑走路は本来の2500mの滑走路が完成すれば役割は終わる。だから基本計画に変更はない」などと書き連ねている。冗談ではない。もしこんな屁理屈が通用するのならば、空港は基本計画を変更せずにいくらでも拡張できることになる。滑走路を延ばしてジャンボを飛ばし騒音をふりまくこと問題なし、着陸帯に深さ8mの窪地があって着陸帯を半分に削っても問題なし。こんな無責任な判決など認められない。

 暫定開業後、空港は民家40メートル上空を早朝6時から深夜11時まで飛行させ殺人的大騒音をふりまいている。この国家犯罪に対しては、「B滑走路よりも滑走路が短い。中型機の運行が中心。低騒音化が進む。」などととんでもないことを書いている。110デシベルを超える大騒音の下に富越裁判長は住んでみろ!! その環境破壊、健康被害は、市東孝雄さんや松井利仁京大准教授の証言によって完全に明らかだ。
 ウインドシアによるオーバーラン事故についても構造的欠陥によるものではないなどとパイロットに責任転嫁した。成田空港は世界でも類のない欠陥空港だということを隠蔽した。国際民間航空条約(シカゴ条約)で定めた航空安全の国際標準については「従うことを強制するものではなく、合致しない点があるとしても違法ではない」とNAAを露骨に擁護している。大参事を招いたら一体どう責任をとるというのか。違法の積み重ねによる変更認可を即刻取り消し、暫定滑走路をただちに閉鎖せよ。
反対同盟は、市東さんの農地を守り、天神峰現闘本部破壊を阻止する。暫定滑走路の前倒し10月供用開始を粉砕し、廃港の日まで徹底的に闘いぬくことを宣言する。                    

2009年6月1日

2009年03月16日

●暫定滑走路建設の違法性を全面展開

最終弁論を終えて報告会に臨む反対同盟と弁護団
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■3月16日、東京高等裁判所825号法廷で、暫定滑走路認可取消訴訟控訴審の最終弁論が行われました。反対同盟からは萩原進事務局次長と伊藤信晴さんが参加。多くの傍聴者とともに法廷に臨みました。裁判では弁護団の葉山岳夫弁護士が最終弁論の要旨を展開。暫定滑走路における数々の違法性を黙殺し、住民被害についても「社会的受忍限度を超えていない」と言い放った1審判決の誤りを、あらためて全面的に明らかにしました。
■さらに前回の裁判(2008年12月17日)で勝ち取った市東孝雄さんと松井利仁(京大准教授)さん2人の証人調べの意義をあらためて強調。科学的に明らかにされた騒音被害、健康被害、生活破壊の実態から、原判決の誤りを鋭く論証しました。

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2008年12月13日

12月17日、暫定滑走路認可取消訴訟の
控訴審弁論へ集まってください

――市東孝雄さんが証言します

■12月17日(水)午後2時より東京高裁で、暫定滑走路の認可処分取消訴訟・控訴審弁論が闘われます。多くの労農学の参加を訴えます。
■この訴訟では、前回9月10日の弁論で富越和厚裁判長が結審を策動しましたが、原告、弁護団、傍聴団一体となった闘いで、今回の2人の証人尋問をかちとりました。1人が前記のように市東孝雄さん。暫定滑走路開業による生活・農業破壊の現実をつぶさに証言します。

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 暫定滑走路認可取消訴訟(千葉地裁)  成田空港の基本計画を変更して北側に800メートルずらした暫定滑走路の認可(国交大臣)の取り消しを求めて反対同盟が2000年2月に起こした裁判。暫定滑走路は、国際民間航空条約(シカゴ条約)の安全基準にも違反しています。国策の名のもとに安全など度外視する成田空港のあり方を問う裁判です。