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2007年05月 アーカイブ

2007年05月01日

●5・12緊急現地闘争をよびかけます

●5・12緊急現地闘争をよびかけます

●トップページ写真集(2007年5月)

5・12現地闘争であいさつする市東孝雄さん

■5月31日

商工会議所の会長はいけしゃあしゃあと『3500メートルにしたい』などと言い放った。冗談ではない。われわれの力を見せてやる時だ。私の耕作権をめぐるひどい裁判も許してはおかない。東峰の森伐採の問題と一体で反撃していく(市東孝雄さんの発言 5・12集会)

5・12現地闘争であいさつする鈴木幸司さん

■5月30日

41年何のために闘って来たのか、最大の決戦期が来たと言っていい。支配階級を叩きのめすまで、何年でも闘いぬこう(鈴木幸司さんの発言 5・12集会)

5・12現地闘争であいさつする萩原進事務局次長

■5月29日

我々が答えを出してやる。どっちが追い込まれているのかということを。全人民に訴えて訴えて訴えて大きな輪を作ろう。労働者・農民が今こそひとつになるときだ(5・12集会での萩原発言)

5・12現地闘争であいさつする北原事務局長

■5月28日

「みなさん、この現場に立って東峰の森の惨状を見て何を感じますか。空港会社の黒野社長が何度も謝罪し、反省し、森を残すと約束をしておきながらこの惨状です。こういうことが人間として許せるのか」(5・12集会での北原発言)

裁判闘争について提起する一瀬弁護士

■5月27日

5・17報告交流会(鈴木さん一坪裁判)での一瀬弁護士のお話(2)


 県は一坪共有地を取得した後に「空港会社に譲渡する」と言っています。  緊急性も必要性もない裁判です。
(記事へ)


鈴木さんの一坪共有地裁判について
提起する一瀬敬一郎弁護士

裁判闘争について提起する一瀬弁護士

■5月26日

5・17報告交流会(鈴木さん一坪裁判)での一瀬弁護士のお話(1)


 現在の三里塚闘争の攻撃強まりを見るにつけ、闘いの新たな展開が求められている、という感を深くしています。この点を含めて顧問弁護団の立場から問題提起したいと思います。
(記事へ)

鈴木さんの一坪共有地裁判について
提起する一瀬敬一郎弁護士(右)

報告会での鈴木いとさん

■5月25日

「がんばります」 5・17裁判後の報告会で力強くあいさつした鈴木いとさん。

地上げ屋まがいの土地取り上げは許されない

5・17裁判報道

報告交流会で語る鈴木幸司さん

■5月24日

「全面的価格賠償なんて言うけど、金のために一坪用地を持っている者は一人もいないんだ!転売するために一坪をよこせなんて冗談じゃない。これは反対同盟としての闘いだ。何年でも闘う」(5・17報告交流会で語る鈴木幸司さん)
市東さん宅のゆず

■5月23日

市東さんの庭の柚子の花が満開です (記事へ)

裁判後の報告で

■5月22日

5・17鈴木さんの一坪裁判

訴権の濫用であり、信義則違反だ!


反対同盟弁護団が堂々の弁論
(写真は裁判後の報告に臨む葉山弁護士、鈴木幸司さん、鈴木いとさん)

報告交流会で団結をかためる

■5月21日

 鈴木さんの一坪裁判が行われた5月17日夜、反対同盟は「菱田の郷」で報告交流会を持ちました。
東京から駆けつけた一瀬敬一郎弁護士の解説で、鈴木さんに対する提訴がいかにデタラメで悪らつな攻撃であるか、全体で認識を共にしました。
 同時に、東峰の森伐採や相次ぐ司法反動などの“三里塚つぶし”の攻撃に対して、「裁判闘争を現地闘争として闘おう」「反動は敵の危機の現れ。三里塚でこそ打ち破ってやろう」と意気高く語り合い、団結を打ちかためました。

絶対に許せない

■5月19日

第1回公判終了後の報告会で決意を述べる鈴木幸司さんといとさん

本日の鈴木さん一坪裁判にあつまろう

例えて言えば、悪徳地上げ屋が、「転売するための土地をひとつにまとめたい」、そのために「一坪共有地を奪うことを、裁判所に認めてほしい」と言って訴えているような裁判なのです。(記事へ) (一坪共有地の写真)
(第1回公判で出された鈴木さんの意見陳述書)

絶対に許せない

■5月18日

絶対に許せない!伐採はここまできた

東峰の森伐採、5月15日撮影=萩原進さん宅ちかくより

5・17鈴木夫妻一坪裁判にあつまろう

例えて言えば、悪徳地上げ屋が、「転売するための土地をひとつにまとめたい」、そのために「一坪共有地を奪うことを、裁判所に認めてほしい」と言って訴えているような裁判なのです。(記事へ) (一坪共有地の写真)

戦闘的なデモを展開

■5月17日

5・12緊急集会に労農学が駆けつける

反対同盟が呼びかけた緊急集会に110人の労農学が結集して、東峰の森伐採、市東さん耕作権裁判での反動的訴訟指揮、一坪共有地強奪裁判での抜き打ち結審など、連続する〃三里塚つぶし〃攻撃に反撃ののろしを上げました。 (記事へ)

鈴木幸司さん、いとさん夫妻

■5月15日

5・17鈴木夫妻一坪裁判にあつまろう

例えて言えば、悪徳地上げ屋が、「転売するための土地をひとつにまとめたい」、そのために「一坪共有地を奪うことを、裁判所に認めてほしい」と言って訴えているような裁判なのです。(記事へ)

戦闘的なデモを展開

■5月14日

5・12緊急集会に労農学が駆けつける

反対同盟が呼びかけた緊急集会に110人の労農学が結集して、東峰の森伐採、市東さん耕作権裁判での反動的訴訟指揮、一坪共有地強奪裁判での抜き打ち結審など、連続する〃三里塚つぶし〃攻撃に反撃ののろしを上げました。 (記事へ)


東峰区内を意気高くデモ行進

■5月13日、16日

追いつめられているのは空港会社だ

(5・12緊急現地闘争)
 41年もかけてやっとできたのが今の空港の姿だ。暫定が暫定でしかない現実をとことん強制しよう。労働者と人民が手をつなげば必ず実現できる。(萩原進さん) (写真速報へ)

東峰の森伐採1

■5月12日

機動隊車両に守られて、森の伐採を強行する空港会社。かなりの樹木が切り倒された。場所は、萩原進さんの清水の畑のすぐ東側だ(記事へ)

現闘本部裁判終了後の記者会見

■5月11日

裁判長は建物の検証を行わないつもりか!

 昨日行われた現闘本部裁判第16回口頭弁論で仲戸川隆人裁判長は建物の実地検証をやらない方向に導こうとする反動的な訴訟指揮を行いました。とんでもない話です。「仲戸川裁判長は建物の検証を行え」の声をさらに大きな力にしていきましょう。(記事へ)

許せない!<br>東峰の森伐採の現場

■5月10日

許せない!東峰の森伐採の現場

 NAA(成田空港会社)は東峰区の中に居丈高にフェンスを張り巡らせ、地域住民の営農と生活にとっては命とも言うべき「東峰の森」の木々を伐採する工事を連日強行しています。
 絶対に許せません。
 皆さん、5・12緊急現地闘争にぜひお集まり下さい。私たちと一緒に怒りの声をNAAにぶつけて下さい。(伐採工事写真1) (伐採工事写真2)

許せない!東峰の森伐採工事

■5月9日

 NAA(成田空港会社)は東峰区の中に居丈高にフェンスを張り巡らせ、地域住民の営農と生活にとっては命とも言うべき「東峰の森」の木々を伐採する工事を連日強行しています。
 絶対に許せません。
 皆さん、5・12緊急現地闘争にぜひお集まり下さい。私たちと一緒に怒りの声をNAAにぶつけて下さい。(伐採工事写真)

地元住民を無視してダイオキシンをそのまま埋め立てようとしている

■5月8日

 成田クリーンパーク(一般廃棄物処分場)の覆土のための埋め立て工事および暫定滑走路北延伸のための誘導路工事にむけてフェンス張りが4月17日から開始された。クリーンパークでは5月初旬に覆土工事が強行されようとしている。ダイオキシンをそのまま埋め立てるクリーンパークの覆土に対しては、騒音下北部住民の怒りの声がまきおこっている。(写真は正面が北側方向。右側が51号線つけかえトンネル工事現場。正面奥がクリーンパーク=撮影は4月24日)

一坪共有地現地調査

■5月7日

本日5月7日(月)
一坪控訴審傍聴へ

写真は今年2月10日に行われた一坪共有地現地調査。主に、空港内に存在する共有地の現況を確認した。これは「三里塚地区周辺に土地を持つ会」という組合の活動として行った。一坪共有地はこの組合の所有(合有と呼ぶ)になるため、個人が勝手に処分することはできない。だから、共有地を空港会社に売り渡してもその売買は無効になる。5月7日(月)にこの一坪共有地強奪裁判の控訴審・第3回口頭弁論(午後2時、東京高裁)が行われます。お集まり下さい。

「東峰の森」本体伐採弾劾

■5月6日

 反対同盟は先月4月1日の「森伐採阻止!」現地闘争に続き、きたる5月12日(土)に本格伐採弾劾の緊急現地闘争を行います。大勢の皆さんのご参加を心から訴えます。
(写真は4月1日の闘争)

2007年05月05日

「東峰の森」本格伐採弾劾!

――5・12緊急現地闘争へ

 NAA(成田空港会社)は、暫定滑走路北延伸にかかわる新誘導路建設のために、東峰地区の営農を支える「東峰の森」の伐採工事を4月23日から強行、工事を続行しています。地元住民を無視した工事強行は絶対に許せません。  反対同盟は先月4月1日の「森伐採阻止!」現地闘争に続き、きたる5月12日(土)に本格伐採弾劾の緊急現地闘争を行います。  人を人とも思わぬやり方は、文字通り憲法改悪を先取りした、三里塚つぶしの攻撃です。反対同盟は全国の仲間の皆さんとともに敢然と闘いぬく決意です。  大勢の皆さんのご参加を心から訴えます。  反対同盟からの呼びかけ文を掲載しますのでご覧下さい。

2007年05月06日

5・7一坪共有地控訴審に結集しよう

070507.jpg

今年2月10日に行われた一坪共有地現地調査。主に、空港内に存在する共有地の現況を確認した。これは「三里塚地区周辺に土地を持つ会」という組合の活動として行った。

 5月7日(月)午後2時から一坪共有地控訴審(東京高裁810号法廷)が行われます。
この控訴審は6ヶ所の一坪共有地について、成田空港会社(NAA)が全面的価格賠償方式で、つまり金銭によって強奪しようと提訴したものを、途中から1つの裁判に併合をかちとって千葉地裁において3年半にわたって争われてきた裁判です。
 一審ではNAAの主張を全面的に認める反動判決が強行されましたが、昨年秋から東京高裁において控訴審闘争に突入しています。
 5月7日の公判が5回目になります。現在の攻防の焦点は、証拠調べ=清水和邦教授(福井県立大学)の証人採用をかちとることができるかどうか、ということです。裁判長は「既に一審で証拠調べは十分尽くされているから控訴審での証人調べは行う必要性がない」などと、全く不当にもこれ以上の審理を行う必要がないかのようなことを言っています。
 しかし一審判決では、裁判の核心である「三里塚地区周辺に土地をもつ会」が民法上の組合であることがただしく判断されていません。一坪共有地は組合の合有地であるため、個人的に分割したり売買することが不可能なのです。「全面的価格賠償方式」を適用した共有地取り上げは不可能なのです。なぜなら共有地の分割・売買を禁止している民法676条に違反することになるからです。
 一審判決は一坪共有地が組合の合有地であるという事実認定を誤っています。そのことを審理の中で明らかにし、立証するためにも、新たに提出された清水教授の「鑑定意見書」についての証拠調べは不可欠なのです。
 一審判決の誤りを審理するのは控訴審の義務です。それは公平な審理を行うためにも保障されなければなりません。にもかかわらず裁判長は、このような当然の審理を棚上げする訴訟指揮を強行しようとしています。絶対に許すことはできません。
 証人調べを実現するためにも、ぜひ裁判の傍聴に結集されることを強く訴えます。

2007年05月07日

〔第28話〕消え去ることはないんです

 最近流行りのメタボリックという響きに敏感になりながら、この「こぼれ話」を書いています。
 10日は現闘本部裁判ですが、NAAは本部破壊のために、こう主張しています。「登記されている元の木造建物の本部は、登記されていない鉄筋の建物に吸収されて無くなっのだから、鉄筋の建物は違法であり即座に撤去せよと」。
 『吸収して無くなった!???』
 ハァー??
 鉄板で囲まれ、現在封鎖されている現闘本部の中には、木造の建物が厳として残っているのです。建設途中の写真でもそれは明らかであり、封鎖直前までそこに住んでいた者にとっては怒り無しに聞く事ができません。


ちょっと遊んじゃいました
 コレステロールが下っ腹に吸収されて出っ腹になるのとは、訳が違うぞ!!!

 反対同盟が再三要請している実地調査を裁判官がすれば、NAAの主張がどれ程にでたらめかが明らかになります。しかしながら裁判官はそれを知りつつも、NAAの主張に添った判決をだそうとしています。
 もちろんNAAのでたらめな主張は山ほどありますが、それらを、暴き切るためにも10日の裁判には大勢の参加お願いします。

〔第29話〕農業は日々の営み

 さあー!これから本格的な農作業の始まりです。春の草取りの進み具合いによって、夏、秋の作物の収量が決まると言ってもいいぐらいです!
 反対同盟が応援した選挙は全勝だし、田植えは終わったし、気分は最高です。これからは機動隊や公団(現NAA)をなぎ倒す勢いで草取りに、野良仕事に爆進していきます!
 さあ、みんなも、都会で疲れた心と体を三里塚の空と大地の中で野良仕事して、リフレッシュしよう!!現地では援農を心待ちにしています。
 仕事着は動きやすく汚れてもいい物を。モンペなんかあれば最高ですね、軽くて動きやすい。(履いた事無いけど(~_~;) なんと言ってもサイズが豊富、S.M.L.2L.3L.その次が肥満、と無限です。本当にサイズに『肥満』と書いてあった(笑っちゃいました)。
 ともあれ、少し大きめがベストです。

追伸 今現地では東峰の森決戦の最中ですが、農民の営みは何一つ変わりません。それは三里塚闘争40年の歴史の中でも変わる事無く続けられてきました。

2007年05月08日

地元住民無視の伐採工事(写真)








2007年05月09日

(5月8日 撮影)

●一坪共有地控訴審の早期結審を徹底弾劾する

 5月7日午後2時から東京高裁第5民事部で行われた一坪共有地の控訴審において小林克己裁判長は、突然結審を強行しました。「証人調べは必要ない」と言い放ったのです。昨年10月の公判開始から僅か7カ月足らず、実質わずか3回の弁論しか行っていません。小林裁判長の反動的結審強行を満身の怒りをもって徹底的に弾劾します。
 この一坪共有地控訴審は、昨年6月の千葉地裁の反動判決に対して7月に控訴して10月から公判が開始されたものです。争点の核心は、一坪共有地が1966年に結成された「三里塚地区周辺に土地をもつ会」という組合による合有地であるか否かということです。合有とはむずかしい法律用語ですが、共有より強い拘束力のある所有権の形態で、個人で分割して売買することは禁止されている共有権です。
 ですから空港会社が個人から買収する行為は違法であり無効であることになります。
 このことは一審においても度重なる準備書面や1年間にわたって展開されてきた10人の証人調べによる証言の中で明確に立証されています。にもかかわらず千葉地裁は、「三里塚地区周辺に土地をもつ会」を組合とは認められないとして、個人的分割や売買行為は違法にはならないと居直り、全面的価格賠償方式の適用を正当化する反動判決を強行しました。
 控訴審においては、この一審判決が誤りであることを全面的に展開してきました。つまり、「三里塚地区周辺に土地をもつ会」という組合の事実認定の判断に誤りがあることを展開してきました。同時に、この立証として一坪共有地の「鑑定意見書」を提出した清水和邦教授(福井県立大学)をはじめとする証人調べが不可欠であることを強く要求してきました。
 そもそも控訴審においては,一審判決の判断の誤りを審理するのが義務であり、それは公平な審理を行うためにも保障されねばなりません。にもかかわらず小林裁判長は証人調べも行わず結審し、当然不可欠の審理を圧殺する暴挙に出たのです。まさに結論ありき、と言わんばかりの審理打ち切りです。許せません。
 そもそも土地収用法で40年かかっても力ずくで強奪できなかった一坪共有地を民法で強奪しようなどということは、民法を使って実質上の強制収用を行おうということであり、違法そのものです。しかも結審強行からわずか2ヵ月後の7月11日に判決日を指定してます。反動判決の強行が策動されていることはまちがいありません。この反動判決を阻止するために一坪共有地裁判闘争に結集しよう。

2007年05月10日

●裁判長は建物の検証を行わないつもりか

――司法反動をうちやぶる大きな支援運動を

記者会見
裁判終了後の記者会見

 5月10日千葉地裁405号法廷において、天神峰現闘本部裁判の第16回口頭弁論が開かれました。
 今回の弁論で弁護団は、「現闘本部について地上権や賃借権の認識はなかった」「地代の受領の事実はなかった」とするNAA(成田空港会社)の主張のデタラメさを打ち砕く弁論を展開。NAA側を圧倒しました。対するNAA側は裁判長から「もっと主張してはどうか」とうながされる始末です。
 しかしながら今回の公判の最後で仲戸川隆人裁判長は「次回(7月19日)、人証(にんしょう)について決定したい」(証人調べの時間や期日について決定する)「人証は建物以外についての人証を先に行いたい」「人証を先にして、その後建物の検証について考えたい」と言い放ちました。
 とんでもない話です。

 なぜ検証を行わない!?

 なぜ仲戸川裁判長は建物の検証を行わないのでしょうか。
 今回の弁論の中で弁護団は「検証申立補充書」を提出し、葉山岳夫弁護士が「NAAはいまだに旧来の現闘本部が『解体吸収された』と主張している。主張が明白に相異なっているのだから検証すべき」「1991年1月に現闘本部が成田治安法で封鎖された時立ち会った公団職員によって、NAAは内部の事情を知っているはず。つまり反対同盟に地上権が存在する状況を承知していながら土地を買収したわけで(これを「背信的悪意者」と言います)、この点を明らかにするためにも検証は必要」と重ねて実地検証の実施を求めました。
 仲戸川裁判長はこれに耳を傾けることなく、「証人調べを先にやる」と言ってきたのです。傍聴席からも弾劾の声があがりました。一瀬敬一郎弁護士が「検証を優先させよ。裁判長は再考すべき」と強く迫りました。
 「建物以外の人証を先に」と言う言葉に裁判長の意図が透けて見えます。
 旧現闘本部があるかないかは不問に付したうえで証人調べを進め、NAAの主張に沿って白を黒と言いくるめ、「そもそも地上権も借地権も存在しない」「だから建物があるとかないとかは問題ではない」として核心部分の検証を行わずに反動的な結論を導き出そうとしているのです。

 裁判支援の拡大を

 裁判終了後の記者会見で遠藤憲一弁護士は「背景に裁判迅速法がある。民事は2年で結審するように言われている。現闘本部裁判はすでに3年。裁判長は年内結審、年度内判決を狙っているのだろう。建物の検証をやったら、これは無理。だからやろうとしない」と看破しました。
 背景にはまぎれもなく憲法改悪の動きがあります。司法反動化、三里塚つぶしという国家意志を受けて裁判長は反動的な結論を導こうとしています。弁論の正しさだけではなく、この反動に負けない力強い裁判支援運動が必要です。
反対同盟は「天神峰現闘本部裁判を支援する会」をさらに多くの皆さんが参加されることを強く呼びかけるものです。「仲戸川裁判長は建物の検証を行え」の声をさらに大きな力にしていきましょう。
 次回公判は7月19日(木)10時30分からです。

(裁判当日の朝、裁判所周辺で配布したビラ)
 
※なお、記者会見終了後に「天神峰現闘本部裁判を支援する会」の例会が開かれました。
こちらについては、おって報告致します。

2007年05月11日

●5・12緊急闘争へ集まってください

東峰の森伐採1
機動隊車両に守られて、森の伐採を強行する空港会社。かなりの樹木が切り倒された。場所は、萩原進さんの清水の畑のすぐ東側だ

東峰の森伐採2
萩原進さんの畑から東峰の森を写す。木がまばらなになって、空港の中の飛行機の尾翼(赤色)が見えるところまで、伐採が進んだ。

東峰の森伐採3
切り倒した樹木や竹を整理するユンボ。ここでもかなりの面積が伐採されているのがわかる。
(撮影はいずれも5月11日)

■明日5月12日午後1時半から萩原進さんの清水の畑(去年10・8集会をやったところ)で、東峰の森伐採を許すな緊急現地闘争をやります。1人でも多くの仲間の参加を訴えます。
■4月23日から始まった東峰の森の本格伐採は、写真にあるように、連日強行されています。東峰の森から東側がすけて見えるようになりました。本当に許せません。
■しかも三里塚をめぐっては、市東孝雄さんの耕作権裁判(4月23日)や一坪共有地強奪訴訟の控訴審(5月7日)で反動的な訴訟指揮がつづいており、安倍政権の「戦後レジームからの脱却」と称する改憲攻撃の一環として露骨な〃三里塚つぶし〃攻撃が連続して襲いかかっています。
■また習志野空挺団と連携した成田市国民保護計画の名による成田空港の軍事基地化、市民・労働者戦争動員攻撃も具体化しています。
■反対同盟の怒りは頂点に達しています。現地闘争で闘争破壊攻撃を打ち砕き団結を固めていく、というのが三里塚41年の闘いのやり方です。5・12闘争から断固反撃に転じたいと思います。全力での結集をお願いします。

2007年05月12日

●5・12闘争(写真速報)

「暫定」でしかない現実を強制しよう
伊藤信晴さん北原鉱治事務局長萩原進事務局次長鈴木幸司さん市東孝雄さん動労千葉・後藤さん鈴木謙太郎さん
東峰区内をデモ行進
デモ行進あとのシュプレヒコール

2007年05月13日

〔第30話〕農民は黙っていない(投稿)

 ♪津軽〜平野に〜ぃい雪降〜る頃はょーぉ…♪♪(吉幾三の津軽平野)
 夕方、農作業が終わって帰る途中バイクに乗りながら、良く歌って帰ってきます。青森の農民が出稼ぎから帰ってくるのを家族が心待ちにしている歌です。日本の300万農家のうち、専業農家は15%ほど。残り85%、255万は兼業農家です。そのほとんどは季節工や日雇い、土方、もしくは平日は会社勤めで休日に農業をする、土日農家です。いずれにせよ厳しい労働条件になります。
 しかし、彼らがその厳しさを跳ねのけていけるのは、農民としての誇りであり、希望があるからだと思います。今、労働者が置かれている厳しさは、すでに農民であり労働者でもある彼らにも、おなじ痛みとして感じているはずです。
 反対同盟が求める労農連帯は、すでにもっとも身近な所にあるのではないかと思っています。
 しかし今、資本家と国は自分達が生き延びるためだけに、300万農民の首を切り落とそうとしています、絶対に許せません。今後もこの問題について述べていきたいと思います。(N)

〃三里塚つぶし〃に怒りの集会とデモ

――5・12緊急集会に労農学が駆けつける

戦闘的なデモを展開

■5月12日、反対同盟が呼びかけた緊急集会に、動労千葉、婦人民主クラブ全国協議会、全学連など110人の労農学が結集して、東峰の森伐採、市東さん耕作権裁判での反動的訴訟指揮、一坪共有地強奪裁判での抜き打ち結審など、連続する〃三里塚つぶし〃攻撃に反撃ののろしを上げました。
■会場の萩原進さんの清水の畑に集まった首都圏の仲間は東側の森を見て怒りの声を上げました。北東方向の樹木がなくなっているのです。少し視線の位置を高くすると萩原進さんの畑がまでが見えます。つまりその方向にむけて約70メートル幅で、木が切り倒されているのです。東峰区住民の怒りを参加者全員が共有しました。


伊藤信晴さん
■司会の伊藤信晴さんが叫ぶように開会を宣言しました。「東峰の森伐採、反動的訴訟指揮は全人民に対する愚弄だ。東峰区の怒りを共有して今日の闘いを戦闘的にやりぬこう」と呼びかけました。

北原鉱治事務局長
■まず、北原鉱治事務局長が発言に立ちました。「みなさん、この現場に立って東峰の森の惨状を見て何を感じますか。空港会社の黒野社長が何度も謝罪し、反省し、森を残すと約束をしておきながらこの惨状です。こういうことが人間として許せるのか」「今の日本の政治は腐りきっている。三里塚はふたたび決戦に入った。こういうやり方をされて、41年間闘ってきた三里塚が黙っていないという決意を今日の闘いで示そう」と激しい調子で権力、空港会社を弾劾しました。

萩原進事務局次長
■つづいて、「森伐採」に関わる当事者の萩原進事務局次長です。「先日、『2008年から株式会社が農地を取得できる』、という方向に法律を変える、との政府方針が発表されました。農地改革の全面転覆です。こんなことを許したら農地は商品になり、投機の対象になる。農業は壊滅です。また、昨日商工会議所などが。暫定滑走路は2500メートルでも足りない、3500メートルにすべきだという大会を開きました。3500メートルにするということは東峰区を抹殺する、死に追い込むということと同じ意味です。出席した黒野社長は『大いに期待する』などと発言した」と権力側の焦りに満ちた攻撃を明らかにしました。そして次のように言い切りました。「敵がそのように来るのなら、こっちもやってやろうじゃないか。我々が答えを出してやる。どっちが追い込まれているのかということを。どんどん成田空港を衰退させてやる。どんどん没落させてやる。空港内の労働者と連帯すれば廃港も夢じゃないんだ。全人民に訴えて訴えて訴えて大きな輪を作ろう。労働者・農民が今こそひとつになるときだ」とアピールし、参加者を鼓舞してしめくくりました。

鈴木幸司さん
■鈴木幸司さんも「41年何のために闘って来たのか、最大の決戦期が来たと言っていい。支配階級を叩きのめすまで、何年でも闘いぬこう」と檄を飛ばしました。

市東孝雄さん
■市東孝雄さんは、「商工会議所の会長はいけしゃあしゃあと『3500メートルにしたい』などと言い放った。冗談ではない。われわれの力を見せてやる時だ。私の耕作権をめぐるひどい裁判も許してはおかない。東峰の森伐採の問題と一体で反撃していく」ときっぱり決意を表明しました。

後藤俊哉さん
■参加者は、いつにない激しい調子の同盟の発言に決意が高ぶっている様子でした。動労千葉の後藤俊哉特別執行委員は「動労千葉のストライキは三里塚から始まったようなもんです。ジェット闘争がそうじゃないですか。その三里塚絶対に勝たなければいけないんです。国鉄の分割・民営化だってそうです。何が民営化ですか。200人の自殺者を強制したんですよ。10万人も首を切ったんです。労農連帯でもっともっと人を集めて勝利しましょう」と激励してくれました。
■さらに婦人民主クラブ全国協議会の仲間は「闘いが一番楽しかった、という大木よね精神を私たちの精神に、『労働者こそ世の中の主人公だ』を合言葉に前進していきましょう」と元気あふれるアピール。
そして、福日労の労働者が戦闘的な決意表明をしました。最後に、中核派、解放派、統一委員会、蜂起派の発言。

鈴木謙太郎さん

■鈴木謙太郎さんが「労農学の数を集めるのが宿題です。さらに闘いがつづきます。戦闘的なデモを展開して国交省、空港会社を圧倒しよう」と行動提起を行い、団結がんばろーでしめくくりました。
■デモは、小見川県道から東峰区の部落の中へ、熱い訴えを展開しつつ貫徹しました。
■闘いはいよいよ正念場です。裁判闘争、現地闘争ひとつひとつを決戦としつつ、軍事基地化反対の闘いも全力で推進していく決意です。反戦・反権力・抵抗の砦・三里塚への支援をお願いします。

2007年05月15日

仲戸川裁判長は「地上げ屋の土地まとめ」に協力するのか

――5・17鈴木夫妻一坪裁判にあつまろう

鈴木さん夫妻
鈴木幸司さん(左)といとさん(右)

■5月17日、鈴木幸司・いと夫妻が所有する一坪共有地取り上げ裁判の第2回弁論が開かれます。吹き荒れる司法反動の中で民法を使った土地強奪攻撃が強まっています。
■一坪共有地の場所は、成田市駒井野の空港敷地外。提訴したのは千葉県企業庁です。企業庁は「空港会社に転売するために共有地を金銭補償で取得したい(全面的価格賠償方式と呼ばれています)」旨、公言しています。何ということでしょう。企業庁としての自分で使うためでもなく、事業計画があるわけでも何でもない該当の土地を、転売するために裁判に訴えたというのです。緊急の必要性もありません。それも「金を積むから売却を認めてほしい」と裁判所に要求しているのです。例えて言えば、悪徳地上げ屋が、「転売するための土地をひとつにまとめたい」、そのために「一坪共有地を奪うことを、裁判所に認めてほしい」と言って訴えているような裁判なのです。
■まさに訴権(裁判に訴える権利)の乱用です。しかし、担当裁判長は現闘本部裁判で本部建物の実地検証を拒否しつづけている仲戸川隆人裁判官です。千葉県企業庁に加担する訴訟指揮のおそれが十分にあるのです。
■多くの人びとが傍聴に参加することを力にして、裁判長に提訴を即刻棄却させましょう。
■三里塚では、現地での北延伸にむけた攻撃とともに、裁判闘争における激しい攻撃が連続しています。4月23日の市東耕作権裁判では「求釈明を禁圧する」反動的訴訟指揮がなされました。5月7日の別の一坪共有地強奪裁判・控訴審ではわずか3回の口頭弁論で、突如結審という前代未聞の暴挙が強行されました。5月10日の現闘本部裁判では、仲戸川裁判長は、拙速審理を進めています。こうした反動裁判の流れをくつがえす傍聴闘争を展開しましょう。

2007年05月16日

●鈴木さんの一坪共有地


鈴木幸司さん・いとさん夫妻が所有する一坪共有地

すぐ南側に隣接して空港がある

左手の森が鈴木さんの一坪共有地。正面奥が空港

2007年05月17日

〔第31話〕んっ! マヨネーズが値上がり?

 17年振りにマヨネーズが値上げされるようてす。
 バイオエタノールの需要の拡大により、食用油の原料の大豆や菜種を作っていた農家や企業が値段の良いバイオ用のトウモロコシに切り替え始めたのが原因だとか。さらに家畜飼料農家もバイオ原料に転換し始めたため、家畜飼料が高騰し家畜農家が悲鳴をあげています。ドイツでは麦がバイオ原料として使われるため、ビールの値上げも懸念されています。80%以上の食料を輸入に頼る(米を除く)日本では影響をもろに受ける事になり、マヨラーだけでなく、家計にも響く事態となります!
 バイオに転換した農家にとっても問題が山積します。一旦転換をしてしまうと、今まであった農薬規制や遺伝子組替え問題のタガが外れ、際限の無い、土壌汚染(残留農薬)や種子汚染に陥ってしまい、元の作物を作る事が、困難になってしまいます。さらに深刻な問題として、現在世界の人口のうち、8憶以上の人が栄養不足で飢餓に苦しんでいますが、更なる飢餓人口の増加が危ぶまれていいます。
 これだけ見ても、バイオエタノールが人々の生活と相容れないものとして問題が爆発するのは明らかです。

2007年05月20日

●「農地取り上げに反対する会」が畑調査とフィールドワーク

成田クリーンパークを見学
市東さんの畑に立って
市東さんの畑に立って
成田クリーンパークを見学

■5月20日、吉川洋県議、足立満智子成田市議が呼びかける「市東さんの農地取り上げに反対する会」によって、畑調査を目的とするフィールドワークと勉強会が開かれました。勉強会では匝瑳市の水田農家の現状が報告されて、この問題の背後にある農業破壊の深刻さについて認識を深めました。市東さんの畑では、市東さん自身の話を聞き葉山弁護士が解説。参加者は畑にたって見聞きし、取り上げの不当を確信。畑に入ってブロッコリーやラディッシュを収穫しました。そして夜の懇親会と、盛りだくさんの行動に反対同盟も参加し、交流を深めました。

2007年05月21日

暫定滑走路を3500メートルにする?!

――東峰区を抹殺する気か!

5月12日付千葉日報
地元空港利権団体が「3500メートル化を要求して大会を開催した」との新聞記事(5月12日付千葉日報)

■成田空港関連企業で構成する「成田空港の機能拡充と地域経済の活性化を実現する会」(会長=野間口勉成田商工会議所会頭)は、5月11日、成田国際文化会館で190人を集めて「平行滑走路の3500メートル以上への延伸などを求める」大会を開催しました。空港会社の黒野匡彦社長も参加し、「成田がこのままでいいのか、という視点で議論してもらいたい」と地元財界の動きを歓迎するあいさつをしました。
■冗談ではありません。暫定滑走路の3500メートル以上への延伸は、北に延伸して2500メートルにするのに加えて、さらに南に1000メートル以上延長しようという話です。そこには3軒の農家を含めた計4軒の住民が暮らしているのです。この東峰区の住民をどうしようというのでしょう。「死に追いやる」(5月12日の緊急集会での萩原進事務局次長の発言)という話です。
■それもこれも空港関連企業私的利益のためです。他人を踏みにじり犠牲にして、自分たちの利益だけをむさぼる――これが、成田商工会議所などの主張していることなのです。こうした考え方こそ、格差社会に象徴される今の社会の荒廃の根源です。同盟員の市東孝雄さんの耕作権を奪うために「1億8千万円の補償がされるのだから何の文句があるのか」(昨年9月14日、千葉県農業会議)という暴言が飛び出すことにつながる発想です。
■「し烈な競争に勝ち続け、自らがのし上げり続けなければ生存そのものが許されないような世の中で、誰がマトモに生きていけるだろう」(32歳=元フリーター)という告発の声が、今若者たちの間で爆発的に広がっていますが、私たちはこうした告発の先頭に立ちたいと思います。
■国や権力や金持ちの横暴にあくまで抵抗しぬく、これが反対同盟の主張です。私たちの闘いはすべての人の生きる権利、幸福を追求する権利を守ることにつながると確信しています。3500メートル以上の延伸という暴挙を許しません。

2007年05月23日

〔第32話〕誘われるように

市東さん宅のゆず

 市東さんの庭の柚子の花が満開です。
蜜を求めていろんな虫達が寄ってきます。日本蜜蜂は群を成して花から花へと夢中で飛び回り、黄金虫は花に頭を突っ込んだまま動きません、熊ん蜂と蝶は蜜蜂の間を縫うようにして蜜を吸っています。
 花の写真を撮ろうとして木に近付くと柚子の優しく甘い香りに包まれました。




黄金虫蜜蜂

2007年05月25日

●地上げ屋まがいの土地取り上げは許されない

裁判後の報告で
裁判後の報告に臨む葉山弁護士、鈴木幸司さん、鈴木いとさん

 5月17日、千葉県企業庁が提訴した鈴木幸司さん・いとさん所有の一坪共有地裁判第2回口頭弁論が千葉地裁(仲戸川裁判長)で開かれました。
 この裁判は千葉県企業庁が転売目的で鈴木さんの一坪を奪い取ろうという、不当きわまりない提訴です。まさに悪質な地上げ屋まがいです。この日反対同盟は開廷前に裁判所と県庁前でビラまきをおこない、多くの人々にこの不当提訴を訴えてから傍聴に臨みました。
 傍聴席を埋め尽くした人々が「不当な訴訟指揮は許さないぞ」という気迫をみなぎらせる中、弁護団による力強い弁論が企業庁側を圧倒しました。
 前回裁判で鈴木幸司さんが全面的にこの提訴を弾劾する意見陳述をおこないましたが、それに引き続き、弁護団は「なにより本件提訴は却下されるべき」との主張を力強く展開しました。
 そもそも提訴する明確な法的根拠もなく、転売するとあからさまに言っています。そのために一坪共有地をよこせなどというのは訴権の濫用です。しかも転売先である空港会社の空港建設は、違法の連続なのです。違法を後押しするような土地取り上げなど絶対に認められません。
 「企業庁は提訴の法的根拠を明らかにすべし」
 このことを突きつけて、裁判は次回に引き継がれました。
 閉廷後控え室で行われた報告会では葉山岳夫弁護士と遠藤憲一弁護士があいさつ。裁判の内容説明と今後の方針や決意が述べられました。
 続いて鈴木幸司さんといとさんがあいさつ。鈴木幸司さんは「今闘っている反対同盟で金を目的に闘っている者はひとりもいない。どんなことをしてもこの土地は空港会社の連中には渡さない。この土地は絶対に空港の用地にはしない、その一念でみんな闘っている。完全に勝利するまで闘い抜きたい」と固い決意を述べました。
 次回の公判は7月26日午前10時30分からです。
 裁判所に公正な裁判を行わせるため、多くの皆さんが傍聴に駆けつけてくださるよう訴えます。


※報告会での葉山弁護士のお話※

 本来訴訟すべきでないことを訴訟してきている。これは民事訴訟制度の悪用であり、許されません。なぜなら空港建設そのものが違法だから。土地をまとめて空港会社に売りつけようと。高く売りたいから県の土地にしてくれと。悪質な地上げ屋まがいです。ここはかなり重要な問題なので明確に回答を求めていきたい。
 全面的価格賠償方式は、最高裁が判決において自分で考え出したものです。本来法律は立法府である国会が作るもの。最高裁判所が勝手に法律を作るなんて言うのは司法の越権行為で許されるべきことじゃないのに、判例で勝手に(全面的価格賠償方式が)許されると言い切っている。
 学者の中でも反対意見が多い。反対する人間がいるのに強引に全面的価格賠償方式を適用するのは、一種の私的な強制収用だ、民法で認められるはずがないものだと。
 そういうものを地上げのために使う。とんでもない話だ。
 次回は(却下されれば別だが)、この提訴が要件を満たしているのか、さらに追求していきたい。こちらからはこの一坪共有地が組み合い財産で勝手に売買などできないことを明らかにしていきたい。


●「県企業庁の提訴は、訴権の乱用だ。却下すべき」

――5・17報告交流会(鈴木さん一坪裁判)での

一瀬弁護士のお話(1)

裁判闘争について提起する一瀬弁護士
鈴木さんの一坪共有地裁判について
提起する一瀬敬一郎弁護士(右)
■現在の三里塚闘争の攻撃強まりを見るにつけ、闘いの新たな展開が求められている、という感を深くしています。この点を含めて顧問弁護団の立場から問題提起したいと思います。
■私も20年以上、三里塚闘争とりわけ裁判闘争に関わってきました。鈴木幸司さんとは1980年代に成田用水問題で、何年もともに闘い、たくさんのことを教えていただきました。
■空港会社によって、共有物分割請求という形をとった鈴木さんの一坪共有地裁判、そしてすでに控訴審に入っているもう一方の一坪共有地裁判への攻撃についてもどう捉えていくか、重要な課題だと思います。
■両者について共通する問題と異なる問題があります。まず共通する問題について。まず、どちらも三里塚闘争への激しい弾圧、攻撃だという点で共通しています。2番目として両者ともに「三里塚地区周辺に土地を持つ会」という組合の合有財産だという点が、共通する問題です。合有とは組合有と言い換えてもいいと思いますが、個人では売り買いできない財産という意味です。ここが共有とは違います。共有の方は個人で、自分の持分権を売り買いあるいは処分することができます。しかし合有の方はちがいます。そもそも分割請求できない権利だということなんです。
■3番目として、請求が現物請求ではなく、全面的価格賠償請求という形で、金銭でむりやり取り上げるという形で行われてきていることです。共有物の分割というのは、民法に規定がありますが、あくまで現物による分割が原則です。それを金銭で補償することをもて共有物を取り上げようというのが、両者に共通して、かけられている攻撃です。
■そもそも財産をむりやり取り上げられる法律というのは、収用法しかないわけです。当事者間に売買に関する契約もないのに契約を強制するような裁判はそもそも起こすことができないわけです。契約自由の原則があるわけですから。ところが、一坪共有地で空港会社、県がやってきているやり方はこの売買を強制する、という効果をもたらす、とんでもない裁判なわけです。
■確かに最高裁判所が、きわめて例外的な案件で「全面的価格賠償方式」という名の金銭補償での共有物分割を認めた判決を出しました。しかし、これは例外中の例外の事件であって、三里塚の一坪裁判にはまったくあてはまらない事例です。財産の性格もまったくちがう。それをいっしょくたにして、価格賠償で取ろうとしている。これは論理も何もないやり方です。

(2)へ

2007年05月26日

●裁判所を監視する大運動をつくりだそう

――5・17報告交流会(鈴木さん一坪裁判)での

一瀬弁護士のお話(2)

裁判闘争について提起する一瀬弁護士

鈴木さんの一坪共有地裁判について
提起する一瀬敬一郎弁護士(右)

(1)から続く
■違う点というのは、鈴木さんの裁判の方は県が主体で、空港建設と比べても事業の性格が破産しているということです。県は一坪共有地を取得した後に「空港会社に譲渡する」と言っています。緊急性も必要性もない裁判です。
■空港会社が起こした一坪裁判が一審で価格賠償方式を認めたことを見て、悪乗りして民法でとろうという悪らつな意図で、無理を百も承知で提訴してきているのです。しかしあの一審については、本当に不当判決です。民法の学者の鑑定書も提出しました。三里塚の先輩である富里で「富里地区周辺に土地を持つ会」という組合を作って一坪共有運動が行われたわけですが、空港計画を中止に追い込んだ後に、共有地は土地提供者に返されているわけです。こういう経緯を加瀬勉さんが証言しました。こういう実例がありながら、組合有という同盟側の主張を認めなかった反動的判決でした。
■今、司法の反動化が激しく起こっています。例の裁判迅速化法がその最たるものですが、以前は千葉地裁でも、例えば先ほど述べた鈴木さんの成田用水裁判でも10年以上やりました。その時は証拠収集の時間とかについて、裁判所側は最低限の配慮はしてくれた。
■ところが、現在の司法は、枠の中にあてはまて、結論ありきのようなやり方を露骨にしてきている。司法の名を借りた行政権力の代行しているのが実態です。このように裁判闘争自体が大きく変貌してきています。裁判という場をどのように闘うか、どのように活用するかも含めて考えて行きたいと思います。■農地死守は三里塚の原点中の原点です。だから41年の闘いがあるわけです。三里塚正義のかたまりのような運動です。ですから全国、全世界に打てば響く運動を作ることにも成功している。
■同時に訴えたいのは、裁判所を監視する法廷外の運動の重要性です。そのためには、三里塚闘争全体を再興していかなければならないと思います。鈴木さんの裁判は単なる一坪共有地裁判ではありません。反対同盟の闘いに確信をもって、これから何年でも何十年でも闘います。

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2007年05月30日

市東さんの耕作権裁判とは

 市東さんの耕作権裁判は、成田空港会社(NAA)による農地取り上げと闘う裁判です。
 問題になっているのは、反対同盟・市東孝雄さんの祖父が開墾してから、90年間耕作してきた畑です。NAAは18年も前に畑の底地を旧地主から違法に買収しましたが、今になって突然、農地法を乱用した違法手続きで取り上げようとしています。他方で、畑の一部を「会社の同意なく占有している(不法耕作)」として不当に明け渡しを求め提訴してきたのです。本件はその裁判です。
 戦後の農地改革を引きつぎ、耕作者の権利を守ることを目的に制定された農地法を悪用して、農地をとりあげる提訴は許されるものではありません。一種の法の破壊です。
 そもそも問題の畑は土地収用法が18年も前に失効して、任意買収以外に取得の手段がなくなった農地です。それを農地法で奪おうとしているのです。
 その他にも、市東さんの耕作権取り上げ問題では、農地法、民法に関しての数々の違法・不法行為が重ねられています。
 常識では考えられないこの事件の背後にあるものは、いま激しく進行する農業つぶしと農地法の廃止問題です。憲法改悪といっしょの動きなのです。
 今後、知事の決定の不当を明らかにする行政訴訟、賃貸借の対象とされる農地の明け渡し訴訟との闘いが始まります。農地と耕作権をめぐる一連の大裁判になります。ご支援をお願いします。

2007年05月31日

●6・16現地闘争への結集のお願い

――東峰の森破壊、暫定路「3500メートル化」など

暴力的な三里塚闘争破壊に今こそ反撃を

■今、三里塚に対し、安倍政権の憲法改悪・戦争体制づくりの攻撃と一体となって、闘争破壊の攻撃が強まっています。北延伸計画にもとづくさまざまな物理的攻撃が行われています。東峰の森の伐採が連日強行され、東峰区はフェンスで分断され、窒息するような状況です。頭上40メートルのジェット機の飛行は連日つづいています。成田クリーンパークでは覆土(ふくど)工事が始まろうとしています。公然たる国家犯罪が強行されているのです。
■その上に、今度は暫定滑走路の「3500メートル化」などという耳を疑うようなキャンペーンが、空港会社・地元利権団体によって開始されました。昨日の産経新聞1面にはこのキャンペーンの片棒をかつぐかのように、「熱田派農家の鶏舎移転」をネタに悪どい報道を行いました。
■市東耕作権裁判をはじめ三里塚の全裁判で、反動司法権力を使った訴訟指揮が、連続しています。4・23弁論では菅原崇裁判長が求釈明の禁圧という指揮を行いました。5月7日は、一坪共有地強奪裁判の控訴審で、結審が強行されました。わずか3回の弁論です。5月17日の現闘本部裁判で仲戸川隆人裁判長は建物の検証を行わない姿勢を明らかにしました。これらすべてが、安倍政権と相通じた三里塚つぶしです。
■成田空港の軍事使用をめぐっても、激しい動きが出ています。日米の共同作戦計画である「概念計画5055」をこの秋までに実戦化するため、成田、関西新空港などが本土における米軍の最重要の軍事基地に指定されました。この動きと表裏一体となって、成田の国民保護計画が3月31日発効し、習志野の空挺団が空港防衛の指揮をとることになりました。米軍の戦略的基地が三里塚のような闘いの陣形に包囲されることは、安倍政権にとって死活問題です。
■改憲投票法成立、教育4法改悪案の衆議院通過、「集団的自衛権解禁」にむけた懇談会の開始など安倍政権の戦争攻撃と一体となって、三里塚でも一線を越えた闘争破壊が押し寄せているのです。反対同盟をはこれらの攻撃と真っ向から闘いはね返すために、6・16現地闘争に全力で立ち上がりたいと思います。労農学との団結と連帯が勝利のカギであると確信しています。首都圏や関西をはじめとした仲間の全力での結集を訴えます。

要項:6月16日(土)午後1時30分 萩原進さんの畑(東峰の森わき=去年10・8全国集会場)

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