公聴会に対する弾劾声明発す

 反対同盟は、12月24日に芝山文化センターで開かれようとしている公聴会と、これをもって進められようとしている新たな空港建設に対して断固反対する弾劾声明を発しました。声明は反対の立場を鮮明にするとともに、周辺住民や闘う仲間に対して、ともに立ち上がることを呼びかけるものです。14日に行われたいも煮会の場で萩原富夫さんが読み上げ、明らかにしました。

テキストは以下、PDF版はこちら

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弾劾声明

●アリバイ作りの公聴会を許さない!
 11月5日、国土交通省は成田空港の基本計画の「改定」を発表し、7日、成田空港会社(NAA)は、空港等の施設の「変更許可」を国交省に申請しました。12月24日、芝山文化センターで開かれる公聴会を最後に、国とNAAは本格的な用地買収、工事着工へと突き進もうとしています。「成田空港の更なる機能強化」(別掲)は地元住民にとって「百害あって一利なし」です。私たちは地元住民の反対の声を無視して進められる空港機能強化策に絶対反対です。アリバイ作りの公聴会を許すことはできません。共に白紙撤回に向けて立ち上がることを呼びかけます。

●住民の生活と未来を奪うな!
 今回の空港拡張案は、千数百軒の住民を住み慣れた土地から追い出し、部落の共同性を奪い、南北12㎞にも及ぶ広大な大地をコンクリートで覆って、貴重な動植物、水系などをずたずたに破壊するものです。さらに、飛行経路下、谷間地域に住む人々に対しては、航空機騒音を朝5時~夜中の0時半まで浴びせ続け、静穏時間はわずか4時間半となります。落下物や事故の危険も増します。開港当初の約束を無視し、安全に安心して暮らしたいという住民の当然の思いが踏みにじられることは絶対に許すことはできません。「ここを離れたくない」と願う高齢者を叩き出し、若者世代が子育てすらできない環境にしておいて何が「空港との共存・共栄」でしょうか。住民の生活と未来を奪う機能強化は白紙撤回以外ありません。

●デタラメな航空需要予測
また、国やNAAが挙げる機能強化の理由もデタラメです。「2030年に訪日外国人6000万人」という政府目標に貢献するとして成田空港の発着回数を将来50万回まで増やそうとしていますが、現在の成田空港の年間約30万回の発着枠に対し、昨年の発着回数は約25万7千回。まったく発着枠は埋まっていません。今年10月末からA滑走路の運用時間の1時間延長を前倒しで強行したにも関わらず、新規就航便は1つのみ。その他はすべて既存の就航便を後ろにずらしたものです。田村明比古NAA社長自身が「まだ十分ではない。引き続き就航を呼びかける」と時間延長の必要性はなかったことを認めているのです。LCC(格安航空会社)を誘致するための第3ターミナルの拡張や新規路線を呼び込むための着陸料無料キャンペーンなどを立て続けに行い、必死で拡大した枠を埋めようと本末転倒な対応を行っています。野放図な空港拡張で一度破綻すれば、そのつけを支払わせられるのは地元住民です。実際、2011年3・11東日本大震災の際に訪日客は激減し、空港関連で働く労働者の首が1万人切られるということが起こっています。地元住民の生活を破壊し、ありもしない航空需要をわざわざ作り上げることのどこに空港の「公共性」があるというのでしょうか。「命よりも金」の空港建設を絶対に許すことはできません。

●改憲・戦争につながる機能強化
さらに、破綻必至の空港拡張計画の背景には、軍事転用という目的があります。日米新安保ガイドラインで民間空港の施設使用などの協力が明記され、成田空港が最大の空輸拠点、兵站拠点として位置づけられています。すでに旅客型ジャンボ機の生産は終了。世界中で大型機がお払い箱となっている中、4000㍍滑走路1本と3500㍍滑走路が2本という巨大空港建設は、大型の爆撃機を飛ばせるようにするという軍事的要請からきているものなのです。成田を戦争の拠点にするわけにはいきません。

●空港機能強化の白紙撤回を!
すでに成田空港の事業認定は失効し、NAAはこれまでの暴力的な空港建設について謝罪、用地買収に関して「話し合いによる解決」「強制的手段は用いない」と公約しています。地元住民の合意なき強制的な土地取り上げはできません。闘えば必ず勝つことができます。私たちの同盟員である成田市天神峰の市東孝雄さんの農地取り上げも阻止し続けています。
 アリバイ作りの公聴会に私たちの怒りの声を叩きつけましょう。空港機能強化の白紙撤回を勝ち取りましょう。 

2019年12月14日
三里塚芝山連合空港反対同盟

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