5・22耕作権裁判・デモへ

 5月22日、千葉地裁で耕作権裁判が行われます。
 耕作権裁判は、本田晃裁判長から齋藤顕裁判長に交代したため、この日は更新手続きが行われます。
 すぐにでも証人調べに移ろうとしている齋藤裁判長の拙速な訴訟指揮を許してはなりません。「経緯はどうあれ、同意書、確認書で賃借地は確定した」という空港会社(NAA)の主張を丸呑みさせるわけにはいきません。
 耕作権裁判に勝利して、南台農地を守りましょう。再びの強制執行を阻止しましょう。

 そもそもNAAの底地買収は数々の農地法違反で、NAAが地主を名乗る資格はありません。それは耕作権裁判でも同じことです。それに加えて場所が間違っているなら、「明け渡せ」という提訴自体、却下されるべきです。

元々の耕作地はAとB

 耕作権裁判の対象となっている南台農地について整理しておきましょう。
 「関係土地図」のA・B・C・Dが市東さんの耕作地です。写真のBとA、Fの間の細い部分が通路になっているところです。畑を訪れたことのある方は、B、C、Dが一体で耕作されている様を思い起こせると思います。
 市東さんの元々の耕作地はAとBでした(C・Dはのちに賃借権を時効取得)。そして空港公団(現NAA)も同じ認識だったのです。それは公団が強制収用に向けて1987年に千葉県収用委員会や運輸省に提出した図面で明らかです。
 2006年、NAAは天神峰農地と南台農地について、賃貸借契約の解除を成田市農業委員会に申請し、市東さんに明け渡しを迫りました。 
 ここから農地法裁判請求異議裁判が闘われ、最高裁のお墨付きで、2月の天神峰農地の強制執行に至りました。南台農地も賃借場所の認識に違いがないままなら同様の過程になったかもしれません。
 ところが、NAAが市東さんの賃借地として明け渡しを迫ってきた場所はE1とBでした。(農地法裁判、請求異議裁判)
 そして、A・C・Dの土地は不法耕作だと決めつけて06年に提訴したのが耕作権裁判です。

場所が違う!

 E1の部分(かつては41-9と表記)は市東家が一度も耕したことのない場所で、「明け渡せ」と言われること自体おかしな話です。NAAは、あとになって「占有を回復した」などと言いなし、E1の部分を農地法裁判から取り下げます。
 の部分は、賃借場所として市東さんとNAAの認識が一致していたので、農地法裁判、請求異議裁判で争われ、天神峰農地と同様に、一昨年、最高裁で判決が確定しています。この部分は法的にはいつでも強制的に取り上げることができる状態にあります。
 そして、市東家が代々耕してきたの畑を不法耕作だと言いなしていることが何よりも許せないことです。奪い取るなど言語道断です。
 それではなぜ、NAAはA、BではなくE1とBを賃借地だと言い出したのでしょうか。

収用手続きのため

 NAAが主張のよりどころとしているのが、1988年4月に市東東市さん(孝雄さんの父)と旧地主・藤﨑との間で交わしたとされる「同意書」「境界確認書」です。そしてその図面の元となったとされるのが、ずさんな「藤﨑メモ」です。
 当時、空港公団(現NAA)は、市東さんの賃借地を土地収用法で暴力的に取ろうと考えていました。そのために市東さんの賃借地の場所を特定し、それに市東さんも同意したという書類がどうしても必要になったのです。そして理由はわかりませんが、地主の主張に沿い「藤﨑メモ」にもとづく形で、市東さんの賃借地をA、BではなくE1とBだと言い出したのです。
 弁護団は署名の偽造や印鑑の偽造を論証し、「同意書」や「境界確認書」が偽造文書であると暴いてきました。NAAが明らかにしないので、「藤﨑メモ」の作成・入手経緯は不明のまま。証拠価値などありません。

破たんしているNAAの主張

 NAAは、「文書提出命令で指摘された文書は真実存在しないので提出することはできない」と居直り続けています。「文書」とは、市東家の耕作地を旧地主から買収した87〜88年当時の交渉記録、報告書などです。
 さらに、当時に反対同盟法対部の元永修二氏が市東東市さんから南台農地の耕作現況について聞き取りを行って作成した報告書(元永メモ)について「信用できない」とケチをつけてきました。
 元永メモには賃借権設定の経緯も含め、当初からの賃借地がAとBだと記されています。元永メモが正しければ、NAAが証拠提出した「同意書」「境界確認書」の添付図面が誤りとなるので、NAAは何がなんでも元永メモを傷つけ否定するしかありません。
 NAAは新たに「元永メモは同意書作成を前提として書かれた」と言い出しました。つまり、東市さんは地主との間で土地の位置を正しく確認して同意書を作成したのに、それを否定するために「元永メモ」が作成された、というのです。
 しかし、元永メモの日付は1988年3月19日。同意書には日付の記載がありませんが、ほぼ同時に書かれたはずの境界確認書の日付が4月11日。したがって、「同意書を前提として元永メモが」というNAAの主張は成り立ちません。

裁判終結をねらう策動許すな!

 裁判が17年にも及んでいるのは、NAAが証拠を隠し、真実が明らかにならないようにしているからです。弁論はなお尽くされていません。齋藤裁判長が終結をねらった訴訟指揮をすることがないよう、ぜひ傍聴に駆けつけましょう。

●耕作権裁判
 5月22日(月)午前10時30分 千葉地裁601号法廷
 ※午前9時千葉市中央公園集合で地裁包囲のデモ行進

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