■暫定滑走路の北延伸工事が９月15日に着工されました。25日からは国道５１号線で付け替えトンネル工事が本格的に開始されました。しかし計画全体が破たんしています。いつの日か形だけ「完成」しても、便数も増やせず意味のない工事です。
■空港会社の黒野社長も「南側への延伸が本音」と語りました。反対農家を潰すことが工事の目的だと公言したのです。新聞各紙は「なお遠い完全空港化」（9・24東京新聞）、「青空見えぬ延伸」（９・17朝日新聞）という論調が目立ちます。外国航空会社から「この程度の増便に３３０億円も使うのか」という批判の声も上がっています（同）。
■「北延伸」計画の狙いは何か？ ただひとつ、反対農家をつぶすことです。北延伸には空港の運用面からも「公共性」のかけらもないのです。それで市東孝雄さんの農地を違法な手段で取り上げるとは言語道断です。
■農家上空40�辰縫献Д奪筏，鯣瑤个靴討い觧団螻蠢�路の現実は国家犯罪です。反対同盟は北延伸攻撃に決して負けません。暫定滑走路を閉鎖に追い込むまで闘う決意です。
★暫定滑走路北延伸の関係図★
� 屬悄廚了�誘導路は解消されない
■ここには市東孝雄さんの畑、天神峰現闘本部、北原事務局長の一坪共有地があります。誘導路が「への字」に湾曲し、信号機までついて暫定滑走路の機能を大幅に落としています（地図�〇仮函法�ここに北延伸で大型機が通ると大変危険で、運用効率も極端に落ちます。空港会社は現闘本部と一坪共有地を取り上げる不当な裁判を起こしていますが、本来は訴訟自体が成り立たないほどの無法な裁判であることが明らかになっています。市東さんの畑の耕作権はく奪攻撃も、甚だしい法の逸脱である実態が明らかになっています。北延伸の開業予定「２００９年」までにへの字誘導路を直線にするなど絶対に不可能です。�◆崚貶�の森」伐採＝新誘導路に立ちはだかる地元住民
■現在の暫定滑走路は、駐機場と滑走路を結ぶ連絡誘導路が狭く、クランク状に折れ曲がっているのでジャンボ機が通過できません。そこで北延伸計画では新たに東側誘導路を作る計画になっています（地図�◆法Ｅ貶�区が５０年以上にわたって守り育ててきた「東峰の森」（約10ヘクタール）の３分の２を切り倒す計画。森は東峰区住民が入会林として生活の一部をなしてきた財産です。空港会社は入会林であることを認め、１９９７年と２００３年の２度にわたって正式に「地区住民との合意なしに森を伐採しない」と確約しています。北延伸はこれらを無視して伐採を強行する計画です。法的にも信義上も許されないことは明らかなのです。■東峰区住民は８月３日と９月１２日に公開質問状をつきつけ、「合意なくして伐採なし」とした確約の再確認を求めました。空港会社はこれを無視する構えなので、９月２６日には東峰区住民全員の名において、東峰の森を保全する仮処分申請を千葉地裁に提出しました。
■この「東側誘導路」も無意味な計画です。東側誘導路のルートに注目して下さい。滑走路の南側延長上の真下を２回も通過する構造になっています。２カ所ともに信号機が付けられ、離着陸の航空機がある場合には待機しなければなりません。誘導路が滑走路の飛行直下を２回もくぐる空港は世界中を見渡しても成田暫定の北延伸滑走路しかありません。北延伸計画の破たんぶりは明らかでしょう。
�０稻‥祥僂垢襪里�!! 「北延伸」用地に廃棄物処理場
■暫定滑走路の北端からわずか50メートル地点に成田市の一般廃棄物最終処分場（成田クリーンパーク）があります（地図��）。北延伸計画は、この処分場を廃止して空港の保安区域にする予定です。しかし最終処分場の廃止は「廃棄物処理および清掃に関する法律」という法によって、埋め立て後の排水や大気がきれいになったことが証明されるまで、他への転用は禁止されています。■クリーンパークのようなダイオキシンを大量に含む焼却灰（一般家庭ゴミ）では、配水や大気の浄化に5〜６年かかります。しかしこれでは２００９年の北延伸開業に間に合いません。そこで空港会社と成田市は、法律違反を承知で廃棄物をそのまま埋め立て、空港用地に転用しようとしています。
■市や空港会社がこのような違法をあえて押し通すことを私たちは許しません。ダイオキシンを含むゴミの全量撤去を求めて闘っています。
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鳴り物入りの北延伸計画ですが、「２５００メートル」になっても燃料を満タンにする長距離便は飛べません。滑走路が短すぎるのです。需要が多いニューヨークやワシントンなどアメリカ東海岸にも飛べません。ヨーロッパ便にも使えません。■しかも現在、成田暫定滑走路で運行している短距離アジア便は、０９年に同時に開業する羽田空港の新滑走路に大半が移ります。「ほとんど便数は増えない」どころか、成田の暫定滑走路は存在する意味もなくなる可能性が出てきました。およそ人の農地を違法に取り上げてまで強行しなければならないような事業ではない。これだけは確かです。
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■「ジャンボ機が飛べないから北に伸ばして２５００メートル化する」というのが空港会社の説明ですが、そのジャンボ機は間もなく成田空港から消えてなくなろうとしています。１９９８年段階で成田空港発着の７割を占めていたジャンボ機は、２００６年には３割まで減少したことが報道されました。■世界最大のジャンボ機保有会社（29機保有）である日本航空も、向こう３年以内にジャンボ機を全廃します。日本航空は世界最大のジャンボ機保有会社です。不況下で大型機から中型機へのシフトが加速しているのです。ジャンボ機はやがて成田空港から姿を消すのです。短距離便も羽田に移ります。それなのになぜ北延伸が必要なのでしょう。
■反対農家をつぶすことだけが「北延伸」の目的なのです。このような理不尽を私たちは許しません。
（06.10.3）
〒286-0111 （連絡先） 事務局長・北原鉱治 成田市三里塚115