●市東さん、弁護団先頭に
菅原裁判長の訴訟指揮を押し返す

――6・18市東耕作権裁判第3回弁論

裁判報告会

■6月18日、市東耕作権裁判の第3回弁論が千葉地裁で闘われました。約100人の傍聴闘争参加者が千葉地裁を取り巻き、菅原崇裁判長による偏った訴訟指揮を押し返しました。
■午前10時30分、地裁405号法廷で弁論開始。
■弁護団に2人の弁護士が新たに加わり今回は、6人が出席しました。葉山岳夫主任弁護人と一瀬敬一郎弁護士がそれぞれ「提訴の却下を求める本案前の答弁」と「反論の準備書面」を約40分間陳述。
■陳述を終え、一瀬弁護士が「NAA側が畑を明け渡せと言っている畑の特定について、重大な疑義がある。畑の形状も著しく違う。客観的な根拠となるものがあるのであればその証拠を出してほしい」と要求した時、菅原裁判長がさえぎって「主張が違うのであれば、被告の方から出してほしい」とNAAに助け舟を出しました。前回(4月23日)につづく露骨な訴訟指揮です。
■市東さんが怒りを爆発させました。「そっちが提出した図面と現況とぜんぜん違う。なぜ違うのかはっきりさせないと裁判は前に進まないよ。訴えたのはそっちだろう」と抗議。
■傍聴席からも口々に「訴えた側が釈明するのが順序だ」「こんな裁判があるか」「裁判長は公平な訴訟指揮を行え」など弾劾が発せられました。
■勢いに気おされた菅原裁判長は傍聴人のひとりに向かって「その男退廷」と強権を発動したのです。
■廷内は騒然となりました。市東さんと弁護団、北原事務局長、萩原進さん、鈴木幸司さんらが抗議しました。
■10分間の中断後、弁論が再開されました。遠藤憲一弁護士が「本案前の答弁を行ったわけだから、それについてのNAA側の主張を行うべきだ」と裁判長に促しました。
■大口昭彦弁護士も「市東さんが占有しているその権限の解明に入る前に畑の特定の問題を解明するのが先決ですよ」と畳みかけました。
■さらに「NAA側と市東さん側が両方主張しあって、どちらが正しいか、判定する、という性質のものじゃない。訴えた側が明け渡しを要求する範囲をここからここまでと特定するのが筋ですよ」と葉山弁護士。
■NAA側代理人は「被告側から実測測量図が出されるのを待って、こちらの資料を出すかどうか検討する」とすりぬけようとしました。
■しかし、一瀬弁護士が再び立って「土地の所在・地番が食い違っているかもしれないという根本的な問題が問われているのだから、はっきりさせないと前に進めない。場所の特定に関わる客観的な資料があるのかないのか、ないならないと空港会社側は答えるべきですよ」と迫りました。
■裁判長もついにかばい切れなくなり「そういう資料はあるのですか」とNAA側に質すとNAA側は「検討します」と答えざるをえませんでした。そして7月18日までに提出することを約束させられたのです。
■露骨にNAA寄りの訴訟指揮を行ってきた菅原裁判長およびNAAへの重大な反撃が、成功した瞬間でした。
■法廷はこのあと次回期日を10月1日(月)午前10時30分と決めて終了しました。

勝利感にあふれて裁判報告会

■場所を移して、裁判報告会がマスコミ記者も交えて行われました。全員が裁判長の反動的訴訟指揮に一矢報いたとの勝利感にあふれていました。
■司会の伊藤信晴さんから、弁護団に2人の新しい弁護士が加わってくれたことが紹介され、市東さんがあいさつを行いました。「裁判長が国側の人間だということがよく分かった。弁護団とともに私も声を荒げましたが、今日以上の闘いをさらに今後やっていきたい」ときっぱり発言。
■弁護団から弁論の解説があり、質疑応答が行われました。そして北原事務局長が発言に立ちました。「ひどい裁判長だ。正義を正すのが裁判の意義でしょう。あの訴訟指揮はどういうことか。しかし、今日は弁護団・傍聴席一体となった闘いで高揚してきた。弁護団に拍手を送りましょう」と葉山弁護士らの奮闘を称えました。
■「市東さんの農地取り上げに反対する会」から吉川ひろし県議が感想を述べました。「裁判長の顔が、NAAに向けるときと市東さんに向けるときとぜんぜん違う。NAAに向けるときは優しく、市東さんの方に向けるときは厳しく。まったく露骨で不公平です。だいたい裁判長自身『公平にやってます』ということは、『公平にやってない』と自分で言っているようなものです。私も議会の中でも声を上げていきます」と発言し拍手を受けました。
■残土・産廃問題に取り組むネットワークの人も「あんなだらしない裁判長にあきれた。『若輩者ですが』などと言うのなら、もっとしっかりした裁判長を出せ、と言いたい。大勢の傍聴者が心強いです。闘いはこれからです。頑張りましょう」と力強い発言。
■最後に萩原進事務局次長がしめくくりました。「今日は一歩押し返したが勝ってかぶとの緒をしめよ、の精神で行きたい。次回は10月1日なので、全国集会前に今回を引き継ぎ闘おう」
■次回は10月1日(月)午前10時30分です。市東さん、弁護団、反対同盟、「反対する会」一体となった闘いでNAAを追いつめよう。


  

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