●7・28闘争で、農民愚弄の森中発言を弾劾

7・28闘争詳報

「(空港反対派に)反対してもしょうがないと思ってもらうことが対話」(空港会社・森中新社長=NHKインタビュー)

7・28現地闘争

■7月28日、成田市東峰の反対同盟・萩原進事務局次長の畑に、首都圏の労農学100人が集まって、東峰の森伐採弾劾、新誘導路工事阻止、暫定滑走路北延伸粉砕を掲げた三里塚現地闘争を闘いました。
■東峰区は、前回の6・16現地闘争の時と比べても風景が変わっています。東峰十字路周辺では新誘導路工事のために、さらにフェンスが拡大し、東峰の森自体もさらに削り取られました。
■「森がこんなに破壊され、営農は大丈夫なのか」−−参加者のだれもが怒りを新たにしました。


伊藤信晴さん
■司会の伊藤信晴さんが開会宣言を行いました。冒頭、前日に提訴した市東孝雄さんの耕作権問題での行政訴訟を紹介し、「市東さんの人権侵害、財産権侵害という憲法闘争として断固反撃していこう」と呼びかけました。さらに、安倍政権の打ちだしたアジア・ゲートウェイ構想の重大性に触れ「成田空港をアジア市場奪取の拠点空港にする攻撃だ」「成田を侵略の拠点にしようとしている」と提起、「本日の闘いを、こうした攻撃と対決する趣旨をもって断固やりぬこう」と訴えました。

北原鉱治事務局長
■最初にあいさつに立った北原鉱治事務局長は、「力による空港建設のやり方は何も変わっていない。目の前で伐採された東峰の森を見てご覧なさい。空港会社は何度も謝罪し、森を保全する、と約束しておきながらこのありさまだ。農民は口先三寸でだませばいいという存在としてしか考えていない。権力には正義のかけらもない」「このままでは再び戦争の道です。若者は未来の夢と希望をつかむため、三里塚に合流してほしい。労農連帯に馳せ参じてほしい」「三里塚は再び国家権力との対決になります。われわれは激しい闘いを辞さない。夏から秋の新しい決戦に立ち上がろう]としめくくりました。

萩原進事務局次長
■さらに、萩原進事務局次長が登壇、まず「東峰という地域は『峰』という字に表されているように高台です。水を確保する点で苦労があります。そこへ、東峰の森のような緑のダムともいうべき水源を伐採されたら、死活問題ですよ。あらためてはらわたの煮えくりかえる思いです」と東峰の森伐採を弾劾しました。そして「許せないのは安倍内閣です。アジア・ゲートウェイと言う名の侵略政策に成田を使おうとしている。『攻めの農業』という名の国内農業切り捨て政策を開始した。怒りを凝縮して対決しよう]と声を張り上げました。現地闘争の課題では市東さんの耕作権問題を強調し、「やっと裁判闘争で押し返しつつあるが、闘いはこれから。行政訴訟を反撃の第1歩にしよう。国土交通省、空港会社の官僚どもに対して、末代までその責任を追及しよう]と結びました。

市東孝雄さん
■つづいて市東孝雄さんが「きのう行政訴訟を提起しました。そこでは人権侵害の問題をまっこうから訴えています。この人権の問題をどんどん拡大して行きたいと思います。弁護士の人びとが必死に頑張ってくれています。みなさんとともに勝利まで闘いましょう」と発言。

動労千葉・滝口誠さん
■動労千葉からかけつけてくれた滝口誠特別執行委員が「この間、NHKのクローズアップ現代を見ていたら空港会社の森中社長へのインタビューをやっていた。最初に言ったのが職員の意識改革。そしてもうひとつ空港反対派との対話ということを強調していた。どういう意味かなと聞いていたら対話の意味がまるで違う。つまり『反対していてもしょうがないなと思ってもらう対話』というのが彼の言う対話なのです」と訴え、「他方で農民を脅して孤立させ、その圧力を背景に闘争屈服を迫るというのが森中の言う対話の意味だったのです。参議院選の結果が明日判明しますが、どちらが勝っても動労千葉は、反対同盟とともに大反乱に決起します。10・7全国集会に結集しよう」とアピールしました。

鈴木謙太郎さん
■デモ行進は東峰部落をねり歩き、熱いメッセージを発しました。
■闘争の後、九十九里浜で団結海辺の集い。これには鈴木幸司・いとさん夫婦も参加、幸司さんが「やっと『60歳』を回った所です。闘いはこれから。闘えば勝つ。勝つまでやりぬくのが三里塚です」と熱烈な檄を飛ばし、一同を奮い立たせました。
■同盟、支援は英気を養い、夏から秋の闘いへエネルギーを充電しました。

  

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