弁護団、空港会社を追い込む
傍聴の列。北原事務局長の左側は三里塚教会の戸村義弘さん。戸村一作委員長の弟さんです
市東耕作権裁判、第４回口頭弁論を闘う��
■１０月１日、千葉地裁４０５号法廷で、市東孝雄さんの耕作権裁判第４回口頭弁論が開かれました。市東さん側の弁護団は、葉山岳夫さん、一瀬敬一郎さん、遠藤憲一さん、西村正治さんの４人が出廷、市東さんとともに、空港会社側と正対して法廷に陣取りました。
■傍聴席には、反対同盟、関西実行委員会（松原康彦さん）、群馬県実行委員会（青柳晃玄さん）、「市東さんの農地取り上げに反対する会」の皆さん（共同代表の井村弘子さんら）など各地から駆けつけた人びとが参加。入りきれない傍聴希望者が廊下を埋め尽くし、法廷でのやりとりに注目しました。
■弁論は成田空港会社の主張の矛盾点を前回以上に追求する形で行われました。最大の争点は、空港会社が市東さんに対して、不当にも「不法耕作だから明け渡せ」と主張している畑の位置と形が公図とまったく異なっている点です。
■提訴時に出した図面と公図の食い違いについて、成田空港会社が７月１８日に出してきた書面はまったく説明になっていないものでした。
■１日の法廷で、弁護団は「公図は、面積についてはともかく、土地の形については信頼できるものとされている。もし会社側が自分たちの図面の方が正しく、公図が間違っていると主張するなら、公図をくつがえす強い根拠が提出されなければならない。しかし、会社側の根拠は、旧地主・鈴木政重氏からの伝聞以上ではなく、それも隣地の耕作者であった市東東市さん（孝雄さんの父親）の立ち会い確認もない一方的なものだった。この鈴木氏の伝聞で公図との食い違いを正当化することはできない」と主張しました。
■そして弁護団はこの点について会社側にさらなる釈明を求めました。菅原崇裁判長は弁護団側の要求を認め、成田空港会社側の代理人に対して、１１月に再度書面を出させることを約束させました。つまり、空港会社が提出の図面と公図の違いについての合理的な説明です。
■以上のように、１０月１日の弁論は市東さん側が空港会社側を追いつめる内容として勝ち取られました。
■そもそも成田空港会社が「不法耕作だから明け渡せ」と言っている主張には大きな矛盾があります。成田空港会社が用意した図面と公図の食いちがいの他にも、市東さんが代々一度も耕作したことがない土地について「そこが賃借地」だと言うほどのデタラメを言っているのです（この畑については、今回の裁判とは別の行政訴訟＝１０月３０日開始＝で全面的に争います）。「渡せ」と言っている畑についての主張が、このようにいい加減なのですから、この裁判を起こすこと自体が不当であり、却下されなければなりません。
■次回弁論は１２月３日（月）午前１０時３０分に決まりました。（裁判報告会の模様は後日報道します）
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