〔第26話〕近くて遠い畑

 そんなに寒くなかった変な冬がすぎて今は夏に近い春。
 オギサク(鈴木さんの屋号)の屋敷内には鮮やかな彩りの花が咲いています。いとさんの手によるもので、アマリリス、スイセン、チューリップ、ユキヤナギ・・目を和ませてくれます。
 若かったころいつもそばにいてくれた人が散歩のたびに目にする花の名前を教えてくれたが、いくら言われても覚えきれなかった。「あんたって、意外と頭悪いのね」と言われたがそうじゃない。まるで関心がなかったのです。花よりダンゴのほうだったから。年を重ねると日常の時間のなかに埋もれてしまった何気ないものが心にひっかかることがある。今のぼくにとって花とはそういうものかもしれない。
 屋敷内の小高いところに竹林があってその一角が畑になっている。いとさんが言うところの「近くて遠い畑」です。
 どうしてですか?と聞いてみたら「ほれ・・あの坂道、急で登るのきついべ・・」と笑いながら答えてくれました。なるほどわずか10mほどの坂道だが結構きつい。その入り口にユキヤナギが和菓子の「鹿の子」ような小さな花を枝一杯につけていた。思わず合掌。可憐な花たちも四季おりおりに時がくるとそれを告げるようにかならず咲く。そして地面の下にしっかりと根をはっている。自然の営みの偉大さにあらためて頭がさがる思いでした。

  水の春 ふわりと揺れる ゆきやなぎ

ゆきやなぎ

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 先週より、鈴木謙太郎さんの家の桃ノ木が満開です。桃ノ木は、家の正面に三本植えてあります。鈴木幸司さんが、十年前に苗を植えたものです。庭全体が、ピンクに染まっています。
 おばあさんのいとさんは、山菜取りに励んでいます。フキノトウに続き、土筆,ノビルを摘んで来ています。相模原市議選の西村あやこさんの応援に持っていくために、半日かけて下ごしらえをしてました。ノビルは、苦味がおいしい旬のものです。

(後段は少し前にいただいたお話しです。掲載が遅れ写真も間に合いませんでしたので、庭の花々をご覧下さい ↓ ↓ ↓ クリックで拡大します)


  

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