●地上げ屋まがいの土地取り上げは許されない

裁判後の報告で
裁判後の報告に臨む葉山弁護士、鈴木幸司さん、鈴木いとさん

 5月17日、千葉県企業庁が提訴した鈴木幸司さん・いとさん所有の一坪共有地裁判第2回口頭弁論が千葉地裁(仲戸川裁判長)で開かれました。
 この裁判は千葉県企業庁が転売目的で鈴木さんの一坪を奪い取ろうという、不当きわまりない提訴です。まさに悪質な地上げ屋まがいです。この日反対同盟は開廷前に裁判所と県庁前でビラまきをおこない、多くの人々にこの不当提訴を訴えてから傍聴に臨みました。
 傍聴席を埋め尽くした人々が「不当な訴訟指揮は許さないぞ」という気迫をみなぎらせる中、弁護団による力強い弁論が企業庁側を圧倒しました。
 前回裁判で鈴木幸司さんが全面的にこの提訴を弾劾する意見陳述をおこないましたが、それに引き続き、弁護団は「なにより本件提訴は却下されるべき」との主張を力強く展開しました。
 そもそも提訴する明確な法的根拠もなく、転売するとあからさまに言っています。そのために一坪共有地をよこせなどというのは訴権の濫用です。しかも転売先である空港会社の空港建設は、違法の連続なのです。違法を後押しするような土地取り上げなど絶対に認められません。
 「企業庁は提訴の法的根拠を明らかにすべし」
 このことを突きつけて、裁判は次回に引き継がれました。
 閉廷後控え室で行われた報告会では葉山岳夫弁護士と遠藤憲一弁護士があいさつ。裁判の内容説明と今後の方針や決意が述べられました。
 続いて鈴木幸司さんといとさんがあいさつ。鈴木幸司さんは「今闘っている反対同盟で金を目的に闘っている者はひとりもいない。どんなことをしてもこの土地は空港会社の連中には渡さない。この土地は絶対に空港の用地にはしない、その一念でみんな闘っている。完全に勝利するまで闘い抜きたい」と固い決意を述べました。
 次回の公判は7月26日午前10時30分からです。
 裁判所に公正な裁判を行わせるため、多くの皆さんが傍聴に駆けつけてくださるよう訴えます。


※報告会での葉山弁護士のお話※

 本来訴訟すべきでないことを訴訟してきている。これは民事訴訟制度の悪用であり、許されません。なぜなら空港建設そのものが違法だから。土地をまとめて空港会社に売りつけようと。高く売りたいから県の土地にしてくれと。悪質な地上げ屋まがいです。ここはかなり重要な問題なので明確に回答を求めていきたい。
 全面的価格賠償方式は、最高裁が判決において自分で考え出したものです。本来法律は立法府である国会が作るもの。最高裁判所が勝手に法律を作るなんて言うのは司法の越権行為で許されるべきことじゃないのに、判例で勝手に(全面的価格賠償方式が)許されると言い切っている。
 学者の中でも反対意見が多い。反対する人間がいるのに強引に全面的価格賠償方式を適用するのは、一種の私的な強制収用だ、民法で認められるはずがないものだと。
 そういうものを地上げのために使う。とんでもない話だ。
 次回は(却下されれば別だが)、この提訴が要件を満たしているのか、さらに追求していきたい。こちらからはこの一坪共有地が組み合い財産で勝手に売買などできないことを明らかにしていきたい。


  

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