●地上げ目的の一坪共有地強奪は許さない

―最高裁による一坪運動つぶしに断固反撃


報告会であいさつする鈴木幸司さん・いとさん
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 2月7日10時30分から鈴木さんの一坪裁判第5回口頭弁論が千葉地裁405号法廷で開かれました。「1月17日の最高裁不当決定を許さない」――傍聴席をいっぱいに埋めた人々の怒りの視線はそのまま仲戸川隆人裁判長に向けられ、「必ずこの一坪裁判で反撃しよう」という鈴木さん、弁護団、傍聴席の気迫が法廷を支配しました。

 今回の弁論では、鈴木さんの一坪共有地が「三里塚周辺に土地を持つ会」のもとでの合有財産であること、土地を持つ会は今日まで空港建設に抗してきている組織であることを明らかにしていきました。この点を葉山岳夫弁護士が論述したのに続き、一瀬敬一郎弁護士が、鈴木さん以外の持ち分について、「元の地主に権利が移転した記録(売買契約書など)を原告(千葉県)が持っているはずだ。提出していただきたい」と迫りました。
 私たちは「一坪共有地は組合の財産であり、勝手に売買できないはずだ」と主張しているわけですから、県がどのような経緯で一坪共有地の権利を取得したのか、詳細が明らかにされなければなりません。
 県側の代理人は「登記は提出しているのだから必要ない」として、何とか逃れようとしましたが、弁護団はあくまでこれを追求、次回裁判の大きな争点となりました。
 仲戸川裁判長は、県側の立場に立って、「記録の提出はしなくてもよい」とにおわせたばかりか、次回の弁論で、いくつもの論点についてまとめて主張するよう、反動的な訴訟指揮をしようとしましたが、敢然とこれをはねかえして、法廷は闘われました。

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法廷での戦闘性をそのままに、裁判の報告会が行われました。

弁護団の皆さん
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 まず弁護団から葉山岳夫弁護士が「傍聴の力で裁判所に対して優位に立つことが出来た。先日の最高裁における一坪への不当決定は、高裁の判決をそのまま鵜呑みにしたもの。最高裁の決定があるからといって、この裁判も自動的にそれと同じになるわけではない。新たに組合共有の財産であることをはっきりさせたい」と述べ、千葉県による鈴木さんの一坪強奪が、地上げ目的、空港建設の一環であることを暴露して闘うと決意を明らかにしました。
 続いて一瀬敬一郎弁護士が「我々は一坪共有地が民法に定める組合の財産だと主張している。これはバラバラに権利を移転取得できるものではない。それを覆した最高裁の不当決定を今回の鈴木さんの裁判を通してひっくり返していきたい」と表明しました。
 さらに遠藤憲一弁護士が「最高裁の不当決定があって訴訟指揮は強権化してくるだろうが、これは全く別の裁判だ。あらためて争っていきたい。現闘本部裁判の日程も入れようとしているが、こちらもトコトンやっていきたい」と述べました。
 続いて拍手のもと、鈴木さん夫妻があいさつ。鈴木幸司さんが「この問題は市東さんの畑の問題と一体の闘いです。この裁判で私たちは一応代表のようなものだが、空港を作ることに絶対反対している皆さんの闘いです。弁護団と一体で、皆さんも一緒に闘っていただきたい」と檄を飛ばしました。

動労千葉・佐藤正和新小岩支部長
 動労千葉からは佐藤正和新小岩支部長が駆けつけてくれました。あいさつの中で佐藤支部長は「私たちも裁判を闘っていますが、裁判長とか敵側の面(つら)を見ると、農民の土地を奪おうとか労働者の首を切ろうとしている奴らは面が似てるなあと思いました」「2月、3月は春闘を闘い、3月はイラク反戦でワーカーズアクションの集会をやります。これと3・30の3000名結集をひとつの闘いとして頑張りたい」と力強く語りました。
北原鉱治事務局長
 最後に北原事務局長が「そもそも一坪共有運動は組合組織。自分が維持管理できなければ組合に返すことになっている。個人が売っちゃいけないし、売れないものだ。こういう不正義は正さなければ。しっかりと市東さんを守り、権利を守る闘いをやろう。それが三里塚の勝利に結びつく。弁護団が全力で闘える体制をつくっていこう」と訴えました。
 次回の裁判は5月29日(木)10時30分からです。
 文字通り最高裁の不当決定をひっくり返していくためにも、更なる裁判傍聴への参加をお願いします。
 なお、弁護士の発言で触れましたが、同じ仲戸川裁判長に対する忌避申し立てによってストップしていた天神峰現闘本部裁判が4月か5月に再開されようとしています。こちらへの取り組みもあわせてお願いいたします。

  

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