●「地元の利益」とは大資本の利益のこと

■北延伸の2009年度開業を急ぐ空港会社は、地元経済界や自治体を動員して、暫定滑走路の3500メートル化や飛行回数の年間30万回化(現在の1・5倍)などを叫んでいます。その時に持ち出す口実が「地元の利益のため」という文句です。

■しかしこれはデマです。2枚の写真を見て下さい。北原鉱治事務局長の家に近い、現在の三里塚商店街です。半分以上の商店が店をしめ、閑散とした様子が伺えます。閉店しただけでなく、引っ越してしまい、跡地が空き地のままになっていたり、駐車場になったりしている場所も少なくありません。まさに「シャッター街」です。
■1966年に空港計画が持ち込まれたとき、三里塚商店街自身、賛成派と反対派に分かれたと言います。賛成派は政府や空港公団の宣伝を鵜呑みにして「空港が来れば街が繁栄する」と主張しました。それから42年。現在の姿を見れば、どちらが正しかったか一目瞭然でしょう。
■しかも三里塚商店街は空港からわずか500メートルの場所にあって、激しい騒音にさらされる騒音地帯でもあるのです。商店街はさびれ、残ったのは殺人的な騒音だけ。これでは三里塚の農民、住民が怒るのは当然です。
■「空港によって繁栄する」のは、航空会社、物流会社、流通資本など大資本だけなのです。「地元の利益」とは大資本の利益と同じ意味です。ある農民は1980年代、「野菜を買い上げてやる」との空港公団の甘言に乗り、近隣の農家に出資をあおいで出荷組織を立ち上げましたが、空港側の要求する野菜の量と種類を確保することができず、「最後面倒を見る」と言った公団からも裏切られ、組織は破たんしました。ここでも「地元のため」は見せかけだったのです。
■以上のことを百も承知で、空港利権にあずかるために、大資本の先兵を引き受ける地元自治体の態度も許すことができません。成田空港と農民・住民は共存できない――このスローガンをさらにいっそう掲げて、6・8現地闘争(午後1時半開始 三里塚現地)にむけ前進したいと思います。

  

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