●成田のハブ空港からの失陥確定的に。「需要に応えられない」はデマ

――韓国・仁川空港で3本目の4000メートル滑走路供用開始

■成田空港と東アジアのハブ(中心)空港の座を争っている韓国仁川空港で、6月20日、二期工事が完成し、4000メートル滑走路、新サテライトビルの供用が始まりました。

■貨物の取扱量では、すでに仁川空港が成田を抜いています。2006年の年間統計で成田の224万トン対仁川の231万トンです。現実に国際貨物量では、仁川が成田を抜いて世界第2位になっており、年間発着回数は旅客便でもほとんど差がありません。同年の統計で成田の18万6千回に対して仁川は18万2千回です。
■仁川にはすでに3750メートル滑走路が2本あり、今度4000メートル滑走路が加わりました。航空機の年間発着枠は年間24万回から41万回に増加します。貨物も270万トンから450万トンへと6割も能力が増加します。
■対する成田は北延伸が実現したとしても、20万回が22万回に増えると言われているだけです。仁川の方はすでに24時間空港です。「東アジアのハブ空港はすでに仁川に移っている」という成田空港関係者の言葉もうなずけます。「航空需要に空港機能が追いつかないから3500メートル化や30万回化が必要だ」というキャンペーンは大ウソであり、国土交通省や空港会社が宣伝する作り話です。話の順序は逆で、「ハブ空港の位置から転落させないために、需要を作り出さなければならない」という話であり、その作られた需要を前提に、「空港機能の拡張が必要だ」と叫んでいるのです。
■そもそも成田は内陸空港であって、沿岸に立地する仁川空港などと競争できるような環境にはありません。さらに空港を拡張し、騒音を拡大し、夜も住民を眠らせなくする(24時間化)などという住民無視の拡大路線は、絵に描いたモチなのです。
■しかも、ハブ空港化競争とは、アジアにおける市場、資源、勢力圏の争奪競争そのものです。福田内閣の経済財政諮問会議が6月10日発表した「経済成長戦略」の中で叫んでいるとおりです。
■ここには労働者、農民、人民の利益はありません。資本の利益だけを追求した結果が現在の世界的な経済危機であり、新自由主義という名の分割と民営化、低賃金、非正規雇用、「蟹工船」状態の蔓延であり、農民・農業切り捨てです。このような社会のあり方そのものを労働者・農民の力で変えるべきときです。空港反対農民、周辺住民の怒りを無視した暫定滑走路の3500メートル化、飛行回数の30万回化、空港24時間運用を断じて許しません。ともに連帯して闘いましょう。

★★★★
※なお明日は市東孝雄さんの農地強奪阻止・行政訴訟の公判です。6・12現闘本部裁判につづく傍聴闘争への取り組みお願いします。

 
6月24日(火)午前11時、千葉地裁405号法廷

傍聴券抽選のため、午前10時に集まって下さい。


  

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