暫定滑走路の運用時間の延長を許すな

11月14日付 読売新聞
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■空港会社は11月13日、暫定滑走路の運用時間について、朝6時半から夜10時までとしてきたものを、2009年の4月より、朝6時から夜の11時まで、1時間30分延長することを一方的に発表しました。空港会社の住民無視の姿勢が改めて露骨に示されたのです。

■2002年4月に、暫定滑走路が開業された時の運用時間は、4000メートル滑走路と同じ朝6時から夜の11時まででした。しかし、反対同盟はじめ空港反対農民が、暫定滑走路の開業による騒音地獄にも屈することなく、空港反対闘争をさらに前進させたことによって、「飛ばせば反対闘争を続けられなくなる」という、国土交通省・空港会社の思惑は、根底から崩れ去ったのです。
■その3年後の2005年、「2180メートル」という離島空港並みの短い滑走路での運用に耐えられなくなった国交省と空港会社は、追いつめられて北延伸計画を発表しました。その時の切り崩しの一環として、滑走路運用時間の短縮を、おためごかしに提示してきたのです。

■2005年4月30日に、国交省は岩崎貞二航空局長名(当時)で「今、用地買収に応じなければ、滑走路を北に延伸し、今後用地交渉の対象としない」旨の声明を発表しました。
■それと並ぶ切り崩し手段の一つとして、同年3月に、この運用時間の短縮を提示してきたのです。空港会社は反対住民の生活のことを考えている、というポーズを示し、切り崩しの糸口というわけです。「用地交渉の相手としない」「このままだと北延伸を強行するぞ」という脅しを「ムチ」とし、この運用時間短縮を「アメ」として、何とか空港反対農民をたぶらかそうとしたのです。
■40年に及ぶ三里塚闘争を闘いぬいてきた空港反対農民に、このようなペテンが通用するとでも思ったのでしょうか。私たちは北延伸の脅迫を背景にした攻撃をはね返し、とことん国策と闘いぬく決意をあらためて鮮明にし、表明したのです。

■それ以来今日まで、先の運用時間は短縮されたままでした。今回それを再び延長すると発表したわけです。「住民の健康のことを考えて運用時間を短縮する」としていた空港会社の言葉は、またしても口先だけのポーズでしかないことが明らかになりました。
■黒野匡彦・前空港会社社長は、2003年3月、「謝罪声明」なるものを発表しました。歯の浮くような表現で空港反対農民に「謝って」見せ、その2年後には、北延伸計画を強行することによって、その「謝罪」のウソを自己暴露しました。今回の時間延長は、これと全く変わらぬ農民無視、住民無視です。
■私たちはあくまで北延伸開業をゆるさず、市東孝雄さんへの農地強奪攻撃と実力で対決して、闘い抜きます。

  

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