●12・17暫定滑走路認可取り消し訴訟・控訴審闘争をやりぬく

――市東孝雄さんと松井利仁京都大学准教授が堂々証言


報告会で挨拶する市東さん
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■12月17日、東京高裁で暫定滑走路認可取り消し控訴審の弁論闘争を闘いました。

■前回、9月10日の公判で証人調べを一人も行わないまま審理を打ち切ろうとした裁判長に対して、弁護団、反対同盟は反撃し、この日の2人の証人調べとなりました。

■最初に京都大学大学院工学研究科の環境衛生学講座准教授の松井利仁さんが証言を行ないました。松井さんは、航空機騒音の健康被害が、これまで、「感覚影響」「生理的影響」から考えられてきた経緯を述べられた上で、最近ではWHOでも、「健康影響」こそが重大であるとの認識を深め、その環境基準を検討し始めていることを指摘しました。
■そして「心理的影響よりも、具体的に睡眠障害から心臓機能の弱い人などへの具体的な影響が、疫学調査で明らかになってきたことが示されたと証言しました。
■最後に、「こういう空港や道路などの大騒音をともなう巨大公共事業を行なうということは、何人かに1人が騒音被害で病気になり、何人かに1人が死んだりすることも想定した中での事業ということになります」「防音家屋等の対策は当然ですが、それだけでは騒音被害は防げないのが現状です。抜本的な対策が求められます」成田空港による騒音公害を弾劾してしめくくりました。

「流血を辞さず」と市東さん

■続いて市東孝雄さんが証言に立ちました。市東さんは離発着機による爆音、排気ガス、ジェットブラスト(離陸時の噴射ガス)などによる被害を逐一証言しました。
■さらに、堂本千葉県知事が2004年に視察した時に「ここは人間が住む所じゃない」と語ったことや、NAAの黒野社長の謝罪文のでたらめさを指摘しました。
■そして、「人が病気になったり死ななければ被害を認めないなどという主張は断じて許せない」と証言しました。
■最後に、農地を取り上げに来た場合はどうするかと問われたことに対して「親が残した土地だ。完全無農薬農業は(よそに)移れと言われても、簡単にできるものじゃない。今の場所でできる限りやっていきたい。土地収用法で取れないものを耕作者を守る農地法で取るなど絶対許せない。絶対に守る。最後は、流血を辞さず闘い抜く」と富越和厚裁判長に、決意をつきつけました。
■松井准教授の2時間近い証言と市東さんの鮮明な、決意あふれる証言が法廷を圧倒した弁論でした。
■反対同盟も萩原進事務局次長を先頭に大勢に傍聴にかけつけて、首都圏の労農学も参加してくれました。

■次回弁論は公判は、3月16日(月)午後3時から、最終弁論の予定。いっそうの取り組みをお願いします。

  

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