―追いつめられての証拠調べ終了、審理打ち切りを弾劾する
■6月25日、天神峰現闘本部裁判の再開第2回弁論が千葉地裁601号法廷で開かれました。この日の法廷では反対同盟側から萩原進事務局次長、元法対部員が証言台に立ち、NAA側の石橋恵美子証人の陳述を全面的に打ち破るなど、NAA主張を崩壊させ、天神峰現闘本部の地上権を完全に立証しました。早期結審策動が破たんする危機に追いつめられた仲戸川隆人裁判長は、反対同盟側が出した「石橋恵美子証人の再喚問」「現闘本部の実地検証」要求について、これを却下、「証拠調べ終了・審理打ち切り」を強行する暴挙に訴えてきたのです。法廷は弾劾と怒号の場と化し、仲戸川裁判長を追及し、弾劾しました。

■そしていよいよ石橋武司・恵美子夫妻との現闘本部の土地の譲渡や地代をめぐる話し合いの核心に入って行きました。すでに前回(4月23日)の北原証言で、石橋政次が同盟を脱落した時、「現闘本部と土地は同盟のために残していく。何に使ってもらってもかまわない」旨の無償の地上権契約を結んだことを明快に証言しました。今回の萩原証言はそれが有償の地上権契約に深化していく経緯を明らかにする趣旨です。

■「1987年秋から1988年春まで、4、5回石橋夫婦と面会しているが、毎回歓待してくれました」「移転先の酒々井町伊篠では、部落から孤立し、親しい家もなく、いろいろ経緯があったとは言え、昔なじみの私たちが懐かしかったのだろう」「話が済んだ後は毎回、2、3時間も酒食をともなった歓談をした。『裏切り者呼ばわりをされ、いやがらせされている』相手と何時間も過ごしますか。『話が済んだら帰ってくれ』と言えたはずなんだ。ところが『あのころは良かった』懐旧談を楽しんでいたんです。『無理やり書かされた』などふざけるな、という気持ちです」「移転した石橋家を擁護するつもりはないが、一方で彼らを追い込み生活を破壊したのは空港公団であり、空港会社なんです。その責任は大きい。徹底的に弾劾したい気持ちだ」と言葉を強めました。

■最後に萩原事務局次長は、「もし仮に現闘本部を警察力で強奪しに来るようなことがあれば絶対に許さない。あらゆる手段で闘う」との戦闘宣言を発して3時間にわたる証言を終えました。萩原証言の迫力は法廷を圧倒し、打ちひしがれたNAAは反対尋問すら試みることができませんでした。
7・5闘争の爆発で反撃を
■つづく法対部員の証言も現闘本部に関する反対同盟の地上権を具体的な事実に基づいて立証するものとなり、NAAの主張を打ち砕くものとなりました。
■午後4時10分、葉山岳夫代理人が前記の石橋恵美子の再喚問と本部の実地検証を語気鋭く仲戸川裁判長に迫りました。すると、萩原証言の説得力に気おされていた裁判長はたまらず「合議します」と法廷裏へ逃げました。5分たっても6分たっても戻ってきません。反対同盟、弁護団と傍聴者がしびれを切らすころ、3人の裁判官がやっと法廷に戻ってきました。案の定、仲戸川裁判長は本性むき出しに「申請は却下、証拠調べは打ち切ります」と言い放ったのです。その瞬間、廷内は怒りのるつぼと化しました。傍聴席からあちこちから弾劾と怒号と叫び声の嵐が裁判長を襲いました。「石橋再喚問を行え」「証拠調べを途中で放棄してどういう判決を書く気か」……。
■傍聴席は千葉地裁、NAAを圧倒したという勝利感で弁論闘争をしめくくりました。

■葉山弁護士を先頭とした5人の代理人がそれぞれ感想と評価を述べました。特に葉山弁護士は「最高の証言だった。非人間的な空港公団のやり方のひどさも如実に語られていた」と弁論闘争の勝利の総括を提起しました。

■支援者の発言に移りました。動労千葉の後藤俊哉特別執行委員は「『3権分立』と小学生の時に教わったがあれは何だったのか、というほどの裁判所と権力の一体ぶりだ。国鉄1047名闘争でも同じ攻撃を受けている。全労働者・人民が立ち上がって、裁判所、国会を包囲しよう」と呼びかけ。関西実行委の松原康彦さん、群馬の青柳晃玄さん、福岡築港日雇労働組合から次々と、仲戸川裁判長を弾劾し、反撃の闘いに向けた決意が語られました。
