- 2009年7月28日 20:41
―市東さん耕作権裁判、第12回弁論闘争を闘う
記者会見に臨む市東さんと弁護団 ------------------------------------------------ ■市東さんの耕作権裁判、第12回口頭弁論闘争を85人の労農学の結集で、勝利的に闘いぬきました。耕作権裁判は「契約地」とされている以外の土地について「不法耕作だから明け渡せ」と要求してきている不当裁判です。 ■この日、市東さん側は、土地家屋調査士である青柳晃敬さんの鑑定書を提出して、NAA側を追いつめました。青柳鑑定書は、NAAが「不法耕作地である」と特定する根拠としてきた3つの測量図のすべてについて「実測に基づくものではなく証拠価値はない」と断定しました。
■「不法耕作地」特定のためのNAA側の主張の根拠となる資料は①196511月に作成された収用裁決申請書に添付されていた地籍測量図②旧地主である藤崎政吉が作成した1984年5月と1988年8月の地籍測量図でした。
■誘導路を「へ」の字に曲げている市東さんの畑について、青柳調査士は詳細な実測調査を行い今回の鑑定書を作成したのです。その結果、①の地籍測量図は土地の利用現況に基づいたものに過ぎず、公法上(公図などに基づいた)境界に基づくものではない。②旧地主藤崎が分筆時に作成した二つの地籍測量図は①の測量図を流用したものにすぎない。③NAAのこうした証拠はすべて実測に基づいたものではなく、航空写真に、契約面積から算出した長さの線を書き入れただけの机上の図に過ぎない、などを解明し、暴露して今回、裁判所に提出したのです。
■さらに加えて南台40番の土地が、NAAの主張するような旗ざお型ではないこと、藤崎作成の前記、1988年8月作成の地籍測量図も別人の作成を裏付ける跡があり、その意味でも証拠価値が疑われることを追い打ち的に暴露し指摘しています。
■法廷ではこれらの点が市東さん側代理人から明らかにされ、NAA側代理人に説明を求めましたが、相変わらず「書面で回答します」と逃げを打つしかありませんでした。
■一方、菅原崇裁判長は、NAA側に対し、弁論の進行についてどのような計画でいるのかを再三尋ね、拙速裁判を狙う意図を露骨に示し、傍聴席からの弾劾を浴びました。
闘いの決意、次々と
■弁論終了後の記者会見、報告会は勝利感に満ちたものとなりました。市東孝雄さんがあいさつに立ち「7月は私の3つの裁判の他にも、東側誘導路の供用開始、西側誘導路の新たな建設策動など攻防が目白押しでしたが、今までどおり同じような闘いをやりぬいていきますのでよろしくお願いします」ときっぱり決意を表明。
■葉山岳夫弁護士をはじめとする各代理人の発言を受けました。それぞれの弁護士が「NAAのデタラメを明らかにし市東さん側の主張の正当性が明らかになった」という旨のあいさつをしました。「菅原裁判長は当初、拙速裁判、早期結審に向けた露骨な訴訟指揮を意図したが、それは完全に打ち砕いている。傍聴闘争の力が大きい」との感想も述べられました。
■報告会に移り、北原鉱治事務局長が「三権分立を証明するような裁判にぜひしよう。43年間闘ってきた三里塚が勝利できなかったら日本の未来はない。全国の農民を奮い立たせよう」と熱意あふれる発言を行いました。動労千葉の滝口誠特別執行委員はこの日の朝に新聞報道された「『へ』の字誘導路のカーブを緩和」という新たな攻撃に触れ、「動労千葉は車の両輪として反対同盟と連帯して、何としても農地死守・廃港まで闘う」とアピール。関西実行委員会の松原康彦さんも市東さんの農地を守る決意を新ためて明らかにしました。
■群馬からかけつけてくれた青柳晃玄さんは「9月21日に市東さんを招いて群馬で集会をやります。10月、11月へ闘おう」と訴えました。福岡築港日雇労働組合の代表も7月東側誘導路、10月北延伸滑走路の前倒し供用に対して、実力で闘うとの決意を表明しました。
■最後に萩原進事務局次長が「農地法改悪による農地取り上げ、農業破壊に対して、『農地死守』の闘いが農民闘争と労働者階級の闘いの共同の勝算ある闘いだ。その先端が市東さんの闘い。さらに勝利に向けがんばろう」としめくくりました。
■次回の耕作権裁判は11月9日(月)午前10時30分千葉地裁601号法廷です。傍聴闘争の拡大をお願いします。
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