売買無効を全面的に立証ー一坪裁判

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 9月3日、千葉地裁で鈴木さんの一坪裁判がおこなわれました。
 今回から証人調べに入り、最初の証人として福井県立大学の清水和邦名誉教授が証言に立ちました。清水証人は、一坪共有地が「三里塚地区周辺に土地をもつ会」の組合所有(合有)であり、共有者個人からの買収は無効・違法であることを全面的に明らかにしました。
 「新東京国際空港」が当初、三里塚に隣接する富里地区に計画された時、「富里地区に土地をもつ会」がつくられました。証人は、この富里の運動の詳細な研究を通して、これを継承して発展した三里塚の一坪共有地運動の民法上の性格をはっきりさせました。
 「三里塚地区周辺に土地をもつ会」は営利のための土地の共有者集団ではなく、空港反対という事業目的を持った組合として成立しています。勝利のあかつきには、土地は元の地主に返されるとしており、この一坪共有地運動は、1971年の強制代執行との闘いで大いにその意義を発揮しました。その後、空港反対運動をめぐる状況が時の流れとともに変化しても、会の存在とその目的は変わっていません。したがって、共有者個人には持ち分を処分する権利はなく、名義人からの買収は無効・違法だと清水証人は明らかにしました。
 さらに清水証人は、本件で原告・千葉県が「全面的価格賠償方式」を求めていることについて、「不適切」と結論づけました。
 なぜなら、①賠償価格算定がでたらめ(二重価格)で、②原告が公共団体であること、③土地の取得が転売を目的としているなど、強制的に金銭補償で取るやり方の対象になるものではないからです。
 清水証人の内容に圧倒された原告・千葉県は、一言も反対尋問を行いませんでした。
次回の法廷では、会の会則作成、成立の経過などについて小長井良浩弁護士が証言します。

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