●NAAの「解約申し入れ」は無効です!

――反対同盟の弾劾声明

 10月11日付の空港会社による市東孝雄さんへの耕作権解約「申し入れ」は、自らの違法行為を開き直って土地の明け渡しを要求するもので、法的にも無効です。反対同盟は怒りをこめて以下の声明を発しました。     ……………………………………………………………………………………  

●弾劾声明

「解約申し入れ」は違法・無効!
       堂本知事とNAAの暴挙を徹底弾劾し粉砕するまで闘う

                        三里塚芝山連合空港反対同盟
             (連絡先)事務局長・北原鉱治 成田市三里塚115

 成田空港会社は10月11日、市東孝雄さんの耕作権を奪う知事決定に基づき、耕作権の解約を申し入れる書面を送りつけてきた。虚偽事実を書き連ね、「(1年を経て後に)速やかに明け渡していただく」と通告し、農地を取り上げるぞと迫っている。
                          
 何というごう慢不遜、何という無法。数々の違法行為の上に虚偽事実を並べ立て、それを根拠に「明け渡せ」と一方的に通告する暴挙は断じて許すことができない。40年前の「寝耳に水の閣議決定」よりも悪質である。この無法がまかり通れば法も民主主義も何もない。闘う農民の誇りにかけて、空港会社の「申し入れ」を完全に打ち砕き、必ず市東さんの農地を守りぬく決意である。

 空港会社の「申し入れ」はその核心部に明白な虚偽があり法的効力を持たない。空港会社は当該耕作地の旧地主からの買収時期を「平成15年(2003年)」としているが、事実は「昭和63年(1988年)」である。この事実は登記簿謄本に明白である。登記嘱託書添付の和解調書(佐倉簡裁)にはこの年に「売買代金全額を支払った」と明記されている(旧地主・藤崎政吉には昭和63年5月13日に売買代金4472万2596円全額を支払い、旧地主・岩沢和行には昭和63年3月25日に売買代金981万8152円全額支払った)。
                          
 今回の契約解除の請求権は、民法により「権利取得」から10年で時効消滅する。1988年の「権利取得」から18年が経過した今日、市東さんの耕作権解除を求める空港会社の申請自体が効力を持たないのだ。そこでNAAは「権利取得」の正確な時期をひた隠しにし、あげくに時期を偽って解除手続きに踏みきったのである。
                          
 そもそもNAAは、耕作権者たる市東さんに隠して底地権を「買収」しており、その事実を隠すために16年間にわたって、2人の旧地主に、市東さんから地代をだまし取らせてきたのである。これら自体が明々白々の農地法違反であり、刑法の詐欺罪にもあたる違法行為である。

 市東さんの耕作地は開墾以来、90年も丹誠を込めて耕し続けてきた農地である。農地法は小作耕作者に所有権と同等の権利を保障している。その農地を、虚偽の申告と違法行為の累積の上に取り上げようとする空港会社の所業は、まったく許されない。なぜ行政当局は何のチェックもしないのか! 堂本知事は、本人の再三の調査要求を無視し、ただの一度も実地調査を行わなかった。
                          
 市東孝雄さんは「法が守ってくれないのなら、自分で守るしかない」と、不屈に闘う覚悟を表明した。千葉県堂本知事と成田空港会社に告ぐ! この農民・市東孝雄さんの怒りの深さを知れ! 忘れもしない、あの1971年9月20日の強制代執行。当時の友納知事が大木よねさんの自宅を急襲し、よねさんを路頭に放り出す空前の犯罪に手を染めた。あのとき、この北総大地に何が起こったかを思い出せ! この暴挙を、今度はむき出しの違法手続きで再現しようというのか!
                          
 反対同盟は心底からの怒りを込めて宣言する。行政権力と営利企業が結託し、法を無視してまで農民の生きる権利を奪うというのなら、反対同盟は今再び日本農民の名において、全国の仲間を率いて闘い、必ずやこの無法を粉砕する。これほどの無法に満ちた暫定滑走路北延伸には「公共性」のかけらもない。40年間権力の横暴と闘いぬいてきたわれわれ農民の怒りを甘く見るな!

 以上声明する。
                                2006年10月14日

  

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