- 2010年12月 1日 23:53
11月26日、千葉地裁601号法廷で行政訴訟と農地法裁判が行われました。
前回9月10日の裁判長交代にともなう更新意見陳述を引き継いで、今回から論戦の再開です。
前回の裁判で多見谷寿郎裁判長は、「南台41-9」問題(南台41-9という土地が市東さんの契約地なのかどうかということ)は重要だという認識を示しました。
空港会社は南台41-9の土地を「市東さんの賃借地だから明け渡せ」と言い、市東さんは「祖父の代から一度も耕したことがない」という土地です。南台41-9が市東さんの契約地でなければ、そもそも「明け渡せ」という賃借地の位置特定が間違っているという、重大な問題をはらんでいます。
多見谷裁判長は過去の航空写真についても「耕作していたという状況はうかがえませんね」と述べ、今回の裁判で41-9問題は避けられないものになっていました。
行政訴訟で弁護団は、南台41-9が市東さんの契約地ではなかったことをさまざま明らかにし、暫定滑走路の危険性、違法性を明らかにして、千葉県に突きつけました。
これに対して千葉県の代理人は、「解約許可決定は、あくまで農地法20条(賃貸借契約)にもとづいて許可したに過ぎず、空港会社の行為が農地法・憲法違反かどうかについては許可決定とは無関係」という態度を取り続けました。
冗談ではありません。対象地の位置特定を精査することなく、申請が法を破ったものかどうか検討もせずに、どうして許可を与えることができるのでしょうか。さらに証言、証拠、主張を積み上げて、千葉県の逃亡を許さないことが重要になります。
農地法裁判では、南台41-9に関わる藤崎氏や石橋氏との交渉記録をすべて提出するよう、空港会社に迫りました。
1987年までは旧地主の藤崎氏も空港公団(現・空港会社)も石橋政次氏の耕作地だと認識していました(他の書類で明らか)。それがなぜ1987年12月28日作成の「藤崎メモ」から「市東さんの耕作地だ」と事実をねじ曲げたのか。空港会社の隠し持つ証拠(交渉記録)が明らかになれば、はっきりするはずです。
弁護団の追及におされるように、多見谷寿郎裁判長は、南台41―9の土地について、空港会社の代理人に「現状では占有しているのか」と見解をただしました。
すると空港会社の代理人は、「今ですか? 今、占有しているかというと現在は違うが、賃借地である」と言ったのです。
その言葉に市東さんが立ち上がり、「うちは90年間つかっていない」と明言しました。弁護団も「訴状では占有していると書いてある。占有していないというなら、それはいつからなのか。この食い違いは一体何だ。書面で提出せよ」と迫りました。
空港会社は3年前、その土地を市東さんが占有すなわち耕しているから「明け渡せ」と、訴訟を起こしたのです。傍聴席からも「占有してないっていうなら、何のために裁判やってるんだ」「裁判を取り下げろ!」と次々声が飛び交いました。
多見谷裁判長も「占有の事実がないなら、(提訴の)要件事実を欠いていますね」と言わざるを得ませんでした。そして空港会社に対し、次回までに「占有」についての見解を書面で明らかにするよう申し渡しました。空港会社の「言い訳」「すり抜け」を許さず、徹底的に追及しましょう。証拠隠しを許さずに、真相を明らかにする裁判闘争にしていきましょう。
次回の行政訴訟と農地法裁判は来年2月22日です。
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